先行研究では、超低周波(ELF)磁界にばく露された労働者における白血病及び一部のリンパ性腫瘍のリスクが調査されている。大半の研究では、リンパ造血系腫瘍を複合カテゴリーとして分析しているが、これには幾つかの個別の白血病またはリンパ腫のサブタイプが含まれており、これが結果の不一致を生じているかもしれない、ということを示唆する分析もある。この研究は、スイス全国コホートにおいて、1990年及び2000年の国勢調査で記録された職種についての職業‐ばく露マトリクスを用いて、ELF磁界ばく露と、異なる種類のリンパ造血がんによる1990-2008年の死亡率を調べた。異なるレベルのELF磁界(高、中、低)にばく露された労働者310万人を、Cox比例ハザードモデルを用いて分析した。急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫による死亡リスクを評価した。その結果、高ばく露群の男性における骨髄性白血病(ハザード比(HR)= 1.31、95%信頼区間(CI)= 1.02-1.67)、及びAML(HR = 1.26、95% CI = 0.93-1.70)を除いて、リンパ造血がんによる死亡率はELF磁界ばく露とは関連していなかった。労働者が職業教育中及び両方の国勢調査の際に高ばく露されていた場合、HRはそれぞれ2.24(95% CI = 0.91-5.53)及び2.75(95% CI = 1.11-6.83)に上昇した。この分析では、高または中レベルのELF磁界にばく露された労働者における広範なリンパ造血系がんの死亡リスク上昇について、説得力のある証拠は得られなかった。但し、長期間にわたって高レベルばく露された労働者におけるAMLのリスク上昇が認められた。観察されたリスクは、ELF磁界ばく露とAMLのリスクについての先行研究でのメタ分析と一致し、サマリ相対リスクは1.21(95% CI = 1.08-1.37)であった、と著者らは結論付けている。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | magnetic field exposure: low (median 0.11 µT) |
集団 2 | magnetic field exposure: medium (median 0.19 µT) |
集団 3 | magnetic field exposure: high (median 0.52 µT) |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 3,147,000 |
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