<目的>電力従業員の職業的な特に電界曝露と白血病の罹病との関連、及びそのときの磁界曝露との相互関係について検討する。<方法>退職者は1970年から、現役は1973年から、1988年まで追跡されたオンタリオハイドロの31,543人の対象者から1,484人のガン症例と、これに対して従業員から選ばれた2,179人の対照群による症例ー対照研究である。電界と磁界への曝露および交絡因子への曝露は17種のまとめた職業カテゴリーでの職業ー曝露マトリックスによって推定された。<結果>全白血病のリスクについて累積電界曝露(≧345V/m-years)との間に有意な相関(OR 4.45 CI 1.0-19.7)が観察された。また急性非リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病の場合にもリスクのレベルが高まっていた(表3)。累積磁界曝露との間には有意な関連はなかった(表4)。しかし電界と共に磁界に曝露されている場合は、≧345V/m-yearsで3.2-7μT-yearsの曝露ではOR 11.31(CI 1.52-84.3)、≧7.1μT-yearsの曝露ではOR 11.2(CI 1.30-97.2)であった。(表5)。累積磁界曝露との量的関連はなく、累積電界曝露との量的関連が見られた(表5)。しかし、電界は着衣、姿勢などによっても著しく異なるものであり、またこの研究はカナダーフランス共同研究によって充足されるほどの対象者が必要であり、オンタリオハイドロのみでは症例数が少なく、信頼区間の幅が広すぎるという欠点もあり、この結果は注意して取り扱うべきであると著者は述べている。
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