この研究は、RBL 2H3細胞の細胞内Ca2+動員に対する超低周波電磁界(EMF)の影響を調べた。その次に、細胞機能として、エキソサイトーシス(細胞が物質を細胞外へ放出すること)に対するEMFの影響を調べた。まず、RBL2H3細胞におけるβヘキソサミニダーゼの基礎放出およびメリチン誘発性βヘキソサミニダーゼ放出を測定し、続いて、細胞にEMFばく露を与えて放出の変化を調べた。その結果、 EMF(60 Hz、0.1または1 mT)への4時間または16時間ばく露において、RBL2H3細胞に細胞毒性効果は生じなかった;メリチン、イオノマイシン、タプシガルギンはそれぞれ用量依存的に細胞内Ca2+濃度を増加させることが確認された;RBL 2H3細胞でのこれらの3つの薬剤誘発性の細胞内Ca2+増加は、EMF(60 Hz、1 mT)への4時間または16時間ばく露による影響を受けなかった;EMF(60 Hz、0.1または1 mT)への4または16時間のばく露は、RBL2H3細胞におけるβヘキソサミニダーゼの基礎放出またはメリチン誘発性放出に影響を与えなかった、と報告している。
RBL-2H3細胞において、メリチン(0.1-1µM)、イオノマイシン(1-100µM)及びタプシガルギン(10から1000µM)で刺激した細胞内Ca2+(一般的なメッセンジャーとして)の可動化、ならびにベータ-ヘキソサミニダーゼ放出に対する電磁界の影響を調べること。
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 4 h or 16 h |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | four square coils; exposure cage with three floors (top, middle, bottom); exposure system placed in an incubator with cooling system; magnetic shielding system made of ferrite material used for the exposure system; spatial variation of the magnetic field <3% |
4時間または16時間の磁界ばく露(60Hz、0.1または1mT)はRBL-2H3細胞に細胞毒性作用を生じなかった。メリチン、イオノマイシン及びタプシガルギンは、それぞれ量依存的に、細胞内Ca2+濃度を上昇させた。RBL-2J3細胞におけるこれら3つの因子による細胞内Ca2+の上昇は、4時間または16時間の磁界ばく露によって影響されなかった。
4時間または16時間の磁界ばく露(60Hz、0.1または1mT)は、ベータ-ヘキソサミニダーゼの基底値または1µMのメリチンで誘導した放出に影響しなかった。
このデータは、職業ばく露の限度値(ICNIRP2010参照)での磁界ばく露(60Hz、0.1または1mT)には、RBL-2H3細胞の細胞内Ca2+の可動化及び細胞機能(細胞外排出作用)に対する影響力はないことを示唆している。
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