この研究は、培養細胞(RAW264.7細胞およびRBL2H3細胞)の原形質膜での信号経路に対する超低周波電磁界(ELF EMF)の影響を調べた。細胞に、ELF EMF(60 Hz、0.1または1 mT)への4時間または16時間ばく露を与えた。影響は、細胞でのホスホリパーゼA2(PLA2)、同C(PLC)および同D(PLD)の活性測定により評価した。その結果、どちらの細胞においても、アラキドン酸の基礎レベルおよび0.5 μMメリチン誘発による遊離レベルにELF EMFの影響は観察されなかった;無細胞PLA2アッセイにおいて、細胞質型PLA2(cPLA2)および分泌型PLA2(sPLA2)の活性の変化は観察されなかった;どちらの細胞においても、PLCおよびPLDの活性にELF EMFの影響は観察されなかった;以上の知見は、職業ばく露限度値より2.4倍高いELF EMFのばく露を受けたRAW264.7細胞およびRBL2H3細胞において、ホスホリパーゼ関連シグナル経路の誘発は生じないことを示唆している、と報告している。
基底の及びメリチンで誘導したアラキドン酸放出(ホスホリパーゼA2の酵素活性)は、どちらの細胞株でも電磁界ばく露によって影響されなかった。細胞基質のホスホリパーゼA2及び分泌されたホスホリパーゼの酵素活性に、ばく露による変化はなかった。ホスホリパーゼC及びホスホリパーゼDのどちらの酵素活性にも、2つのばく露細胞株に変化は見られなかった。
このデータは、職業ばく露限度よりも2.4倍高い電磁界ばく露は、RAW 264.7細胞及びRBL 2H3細胞におけるホスホリパーゼに関連したシグナル伝達経路を誘導しないことを示している。
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