50 Hz磁界ばく露がヒト羊膜上皮(FL)細胞の増殖及びスフィンゴシンキナーゼ1(SK1)の活性化を生じ得ることが、先行研究で認められているが、その作用機序は明確には理解されていないことから、この研究は、50 Hz磁界によるSK1の活性化に関与しているかも知れないシグナル伝達経路を調べた。その結果、磁界ばく露はL型カルシウムチャネルに依存して細胞内Ca2+を増加させ、細胞外制御プロテインキナーゼ(ERK)、SK1、及びプロテインキナーゼCα(PKCα)のCa2+依存性のリン酸化を生じることが示された。また、ERKの抑制剤であるU0126で処理すると、磁界によるSK1のリン酸化を阻害することができたが、PKCαのリン酸化への影響はなかった。PKCαの抑制剤であるGö6976にも、FL細胞における磁界によるSK1活性化への影響はなかった。加えて、ERK及びPKCαの活性化は、SK1の抑制剤であるSKI IIによって阻害することができた。細胞内Ca2+が50 Hz磁界によるSK1の活性化に介在し、これがPKCαのリン酸化を強め、磁界ばく露に対するSK1とERKの活性化の間にはフィードバック機序があるかも知れない、と著者らは結論付けている。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1: 50 Hz |
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