この研究は、ラット実験で、内分泌かく乱物質アトラジンと電力周波の電磁界(EMF)の単回ばく露および組み合わせばく露により生じる影響を調べた。幼若/思春期前後のオスのウィスターラットを6群に分けた:(1)EMF(50 Hz)への4時間のばく露(EMF単回ばく露群)、(2)20 mg / kg体重(bw)のアトラジン投与(低用量アトラジン群)、(3)200 mg / kg bwのアトラジン(高用量アトラジン群)、(4)低用量アトラジン+EMF群、(5)高用量アトラジン+EMF群、および(6)対照群である。ばく露後に皮下組織の肥満細胞の性状を検査した。その結果、アトラジン投与群および組み合わせばく露群では、脱顆粒現象(細胞内顆粒の細胞外への放出現象)を呈した肥満細胞の数が増加したが、EMF単回ばく露群では増加しなかった;このような増加については、どちらの組み合わせばく露群も、対照群との間で有意差があった;さらに、この2つの群は、EMF単回ばく露群との間でも有意差があった、と報告している。
アトラジンは環境汚染物質で、一般的に地下水及び飲料水を含む地表中で検出される。
ラットを6群に分けた(各群n=10):1) 電磁界(50Hz)に4時間/日ばく露、2) アトラジン処理(体重あたり20mg/kg)、3) アトラジン処理(体重あたり200mg/kg)、4) 電磁界とアトラジン処理(20mg/kg)の共ばく露、5) 電磁界とアトラジン処理(200mg/kg)の共ばく露、6) 対照。
皮下肥満細胞の細胞質顆粒には仲介因子(ヒスタミンやセロトニン等)が含まれる。脂肪細胞の応答は細胞蓋の脱顆粒化に関連している(即ち、顆粒から仲介因子が放出される)。
animals were treated in six groups: i) EMF exposure ii) 20 mg/kg of body weight of atrazine iii) 200 mg/kg of body weight of atrazine iv) 20 mg/kg of body weight of atrazine + EMF exposure v) 200 mg/kg of body weight of atrazine + EMF exposure vi) control
アトラジン単独、及び複合処理(共ばく露)のどちらでも、幼若ラットでの脱顆粒化した脂肪細胞の数が増加したが、電磁界単独では増加しなかった。対照群と両方の複合処理群には、統計的有意差が見られた。加えて、低及び高用量のアトラジンと電磁界との組合せの影響は、電磁界単独ばく露群と比較して統計的に有意であった。
皮下の免疫応答における脂肪細胞の生物学的重要性に鑑みて、化学的及び物理的な環境因子への共ばく露が深刻な健康リスクを生じるかどうかを、今後の研究で明らかにすべきである。
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