この研究は、携帯電話基地局から放射される電磁界と都市居住者の申告する不定愁訴との関連を調べた横断研究である。都市部の住民4150人に質問票を送付し、基地局が彼らの健康に影響を与えたか否かについて質問した。健康問題については、標準化された健康質問票を用いて、睡眠障害、頭痛、不定愁訴、精神的および肉体的健康が調査された。結果として、3,526人(参加率85 %)が質問票に回答し、1,808人(51 %)が自宅における電磁界測定に同意した;最終的に測定が実施されたのは1,500戸であった;測定の大半は寝室で実施され、その測定値は非常に低いばく露値を示した;測定器の感度限界を下回る事例が最も多かった;ばく露と健康上の苦情の発生との関連は見られなかったが、健康上の苦情の原因が基地局にあると信じることと健康苦情の発生との関連は見出された、と報告している。
本研究の更なる詳細は、Blettner et al. (2009) and in Berg他、(2009) に発表されている。
以下の質問によって健康状態を評価した:ピッツバーグ睡眠質調査票、頭痛インパクト検査、心身の不調のリスト(von Zerssenリスト)、SF-36健康調査。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 非ばく露:界の合計の平均 ≤ 0.1 V/m |
集団 2 | 非ばく露:界の合計の平均 > 0.1 V/m |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 4,150 |
参加者 | 1,808 |
評価可能 | 1,326 |
寝室での電磁界の測定値は、ほとんどの症例において非常に低い値であることを示し、ドシメータの感度限界未満であることが頻繁にあった。携帯電話基地局へのばく露と健康不良の発生との関連は認められなかったが、健康への悪影響を基地局のせいにすることと、健康不良の発生との関連は認められた。
著者らは、健康についての懸念と、健康への悪影響の原因と考えることを真剣に受け止めるべきであり、懸念する人々とのリスクコミュニケーションが必要である、と結論付けた。
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