この研究は、ラットの骨の幾何学的および生体力学的特性に対する超低周波磁界(ELF-MF)の影響を調べた。30匹のオスのSprague-Dawleyラットを、2つのばく露群と1つの擬似ばく露対照群に分けた(各群n = 10)。2つのばく露群はそれぞれ100 μTおよび500 μTのMFばく露を1日2時間で、10ヶ月間受けた。擬似ばく露対照群はELFを除いてばく露群と同様に扱った。ELF-MFおよび擬似のばく露後、大腿骨シャフトの断面積、大腿骨の長さ、大腿骨の皮質の厚さ、骨の極限引張強さ(最大荷重)、変位、剛性、エネルギー吸収能力、弾性率、および靭性など、ラットの骨の幾何学的および生体力学的特性を測定した。その結果、大腿骨シャフトの断面積は、擬似ばく露群および500 μTばく露群に比べ、100 μTばく露群で有意に減少した;最大負荷は、擬似ばく露群に比べ、100 μTおよび500 μTばく露群で増加した;大腿骨の皮質厚は、擬似ばく露群に比べ、100 μTおよび500 μTばく露群で有意に減少した;しかし、大腿骨の長さ、骨の変位、剛性、エネルギー吸収能力、弾性率、靭性などの生体力学的エンドポイントについては、各群間での有意差は見られなかった、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 2 h/day for 10 months |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | pair of Helmholtz coils with a diameter of 25 cm and 225 turns of insulated soft copper wire with a diameter of 1 mm; placed horizontally in a 130 cm x 65 cm x 80 cm Faraday cage; coils facing each other with a distance of 25 cm between them |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
このデータは、偽ばく露及び500µT磁界ばく露ラットと比較して、100µT磁界ばく露ラットの大腿骨骨幹部の断面積の有意な減少を示している。100µT及び500µTばく露ラットでは偽ばく露ラットと比較して、最大負荷(即ち強度)が増加した。100µT及び500µTばく露ラットでは偽ばく露ラットと比較して、大腿骨の皮質厚が減少した。
但し、大腿骨の長さ、エネルギー吸収能力、骨の靱性等、その他の生体機械的パラメータについては、各群間で有意差は見られなかった。
これらの実験は、100µT及び500µT磁界はラットの骨の生体機械的及び幾何学的特性に影響を及ぼし得ることを証明している。
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