この研究は、磁界(50 Hz、1 mT; MF)の長期ばく露(45日間)が、ラット大腿骨の生体力学的パラメータに及ぼす影響を調べた。骨密度(BMD)測定および組織学的検査も実施した。24匹の8週齢のWistar-Albino雌雄のラットを無作為に、雌の対照群(FC)およびMFばく露群(F-MF)、雄の対照群(MC)およびMFばく露群(M-MF)に分けた。BMDは、二重エネルギーX線吸収測定法によった。大腿骨幹の断面積をコンピューター断層撮影法で評価した。生体力学的測定として、左大腿骨の骨幹中央部の引張試験を行い、最大荷重、変位、剛性、エネルギー吸収能力(構造特性)、極限応力、極限ひずみ、弾性率、靭性(材料特性)を算出した。組織学的検査として、右大腿骨の骨幹皮質骨の厚さを測定した。その結果、大腿骨皮質厚さには、性別とグループの間に統計的に有意な交互作用が見られたが、BMDと皮質断面積では有意な交互作用はなかった;ばく露群(F-MF、M-MF)の大腿骨のBMD、皮質の厚さおよび断面積の値は、対照群(FC、MC)と比較して有意に減少した;最大荷重、変位、剛性、極限応力、極限ひずみ、弾性率、靭性にも、性別とグループの間に統計的に有意な交互作用は見られなかったが、エネルギー吸収能力では見られた;その他にも影響の現れた項目を挙げ、結論として、ラットの骨質は磁界ばく露により低下したことが示された、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
---|---|
タイプ |
|
波形 |
|
ばく露時間 | 4 h/day for 45 days |
ばく露の発生源/構造 | |
---|---|
チャンバの詳細 | 70 cm x 65 cm x 65 cm Faraday cage |
ばく露装置の詳細 | pairs of circular Helmholtz coils with a diameter of 42.75 cm, a clearance of 21.375 cm and 160 turns of 2.2 mm insulated copper wire; rats placed in 26 cm x 17 cm x 13 cm polycarbonate cages in the center of the coils |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
磁界ばく露したラットでは、大腿骨の骨塩密度、皮質厚及び断面積が有意に減少した。
磁界ばく露したラットの生体力学的な骨のパラメータ、最大荷重、変位、剛性、極限応力、及び弾性率値は有意に低下した。磁界ばく露した雄ラットには、大腿骨での統計的に有意に少ない吸収エネルギーが認められた。ばく露ラットでは対照ラットよりも、極限歪が高かった。靭性の平均はばく露ラットで低下した。
組織学的検査では、対照群に正常な骨の構造、及びばく露群の特に雄に不規則な分離とブランクが認められた。
結論として、これらの結果は、ラットの骨の質が磁界ばく露によって低下することを示している。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。