研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[携帯電話使用は若い思春期層の認知機能の変化と関連している] epidem.

Mobile telephone use is associated with changes in cognitive function in young adolescents

掲載誌: Bioelectromagnetics 2009; 30 (8): 678-686

移動無線周波数電話に曝される使用者の研究(MoRPhEUS)の一環として、横断的疫学研究により中学生の認識機能を検査した。我々は、317人の7学年生(男子144人、女子173人、中央値年齢13歳)をオーストラリア、メルボルン周辺の20校から募った。参加者には、国際共同研究 Interphone study、コンピュータ化された認識テスト群、Stroop製カラーワードテストの三者をベースにした、ばく露に関する質問表に全問回答してもらった。ばく露の原則的測定基準は、報告された、声による携帯電話コールの1週間における総回数であった。線形回帰モデルが、認識テストの反応時間と正確度に適用された。年齢、性、民族、社会経済的地位利き手が、共変量として適用され、標準的錯誤は学校ごとのクラスタリングに合わせ修正された。より多くの、声による携帯電話コールを報告している児童においては、作業記憶の正確度はより乏しく、単純な学習課題のための反応時間はより短く、連想的学習反応の時間はより短く正確度はより乏しかった。ばく露と信号探知、行動モニタリングあるいは推定の間に顕著な関連性は見られなかった。Stroop製テストの名付け課題の完成に要した時間は、より多くの、声による携帯電話コール報告する児童において、より長かった。この結果は、ショートメッセージサービスSMS、テクストともいう)による1週間あたりの総メッセージ数についても同様であり、これらの認識上の変化が無線周波数(RFばく露に帰せられるものとはいい難いことを示唆する。総体的に見て、携帯電話使用は、より高いレベルの認識課題に対し、より速く、より不正確に反応することと関連性があった。これらの行動携帯電話を頻回に使用することを通して学習された可能性もある。

研究の目的(著者による)

若い思春期層の携帯電話使用と認知機能との関連を調査するため、オーストラリアにおいてMoRPhEUS研究を実施した。

詳細情報

認知機能はコンピュータ化されたCogHealth精神測定検査及びStroop検査によって評価した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

ばく露

ばく露評価

調査対象集団

調査規模

タイプ
合計 479
参加者 317
参加率 66 %
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

299人の子ども(94%)が携帯電話を使用し、243人(77%)が自身の電話を所有していた。
週当たりの音声通話がより多いと報告した生徒は、単純な連想学習課題について短い反応時間を示したが、作業記憶及び連想学習課題の正答率は低かった。信号検知及び動作モニタリング/推定は、週当たりの通話総数と関連していなかった。より多くの携帯電話通話を報告した生徒は、Stroop検査の完遂時間が長かった。この知見は週当たりのSMSメッセージ総数についても同様で、これらの認知変化は無線周波ばく露によるものではなさそうだということが示唆される。
著者らは、携帯電話使用はより高いレベルの認知課題に対する、より速くより不正確な反応と関連している、と結論付けた。これらの行動は、携帯電話の頻繁な使用を通じて学習されたものかも知れない。

研究助成

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