【目的】妊娠中の母親による出産前の携帯電話使用が、生まれた子供の発達度(18ヶ月まで)と関連するか否かを調べること。【方法】本調査はデンマーク出生コホート(DNBC)に依拠した。DNBCは1996年-2002年に妊婦を募集し、子宮内ばく露および多様な健康影響に関する詳細な情報収集を開始した。2008年末の時点で、単胎、生産(生きて産まれた)の41000人以上について7歳児に関する質問紙を用いた追跡調査が行われ、妊娠中の母親の携帯電話使用ばく露の情報を収集した。発達度に関する影響の情報は、産後6ヶ月および18ヶ月時点で母親に行った電話インタビューから得た。【結果】ロジスティック回帰モデルを用い、潜在的交絡因子を調整して、発達度の遅滞に関するオッズ比(OR)を推定した。6ヶ月および18ヶ月の幼児の5%以下に認知/言葉または運動の発達に遅滞があった。6ヶ月児における運動の発達遅滞の調整ORは0.8(95% 信頼区間: 0.7-1.0)、認知/言葉の発達遅滞のORは0.9(同:0.8-1.1)であった。18ヶ月児における認知/言葉、運動の発達に遅滞の調整ORは、それぞれ1.1(同: 0.9-1.3)、0.9 (同:0.8-1.0)であった。【結論】6ヶ月および18ヶ月の幼児において、出生前の携帯電話使用と運動または認知/言葉の発達遅滞の関連を示す証拠は観察されなかった。携帯電話に関する量反応関係を検討しても関連は無かった。
発達のマイルストーンについてのアウトカムは、子どもが6か月及び18か月の時点で母親が回答した2つの電話インタビューから得た。携帯電話使用は、子どもが7歳の時点で母親が回答したアンケートで評価した。
7歳児の行動学的問題についての研究は、Divan et al. (2008) and Divan他(2010)に発表している。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 非ばく露 |
集団 2 | 出生前のばく露 |
参照集団 3 | 1日当たりの通話件数: 0 - 1 |
集団 4 | 1日当たりの通話件数: 0 - 1 |
集団 5 | 1日当たりの通話件数: ≥ 4 |
参照集団 6 | 電源オンの時間の比率: 0 |
集団 7 | 電源オンの時間の比率: < 50 |
集団 8 | 電源オンの時間の比率: 50 - 99 |
集団 9 | 電源オンの時間の比率: 100 |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 41,541 |
母親の約34%が1997-2002年の妊娠中に携帯電話を使用していた。子どもの6%未満が6及び18か月の時点で、運動、認知または言語発達の遅延を有していた。
母親の妊娠中の携帯電話使用と、6及び18か月の乳幼児の運動、認知または言語発達の遅延との関連の証拠は認められなかった。携帯電話についての量‐反応関係を考慮しても、関連はなかった。
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