一部の先行研究で、子どもの携帯電話/コードレス電話使用と認知機能の発達との関連が示唆されていることから、この研究は、小学校児童のコホートにおいて携帯電話/コードレス電話使用と認知機能への影響との関連を調べた。ベースライン(2010-2012年)および追跡期間(2012-2013年)に、子どもの社会人口統計学、携帯電話/コードレス電話使用、認知機能についてのデータを取得した。一連のCogHealth検査およびStroop色文字検査で認知アウトカムを評価した。携帯電話/コードレス電話での一週当たりの音声通話件数のベースラインから追跡期間までの変化を、「件数増加」と「件数減少/変化なし」に二分化した。交絡因子について調整し、学校でクラスター化した多重線形回帰分析を実施し、認知アウトカムの変化と携帯電話/コードレス電話ばく露の変化との関連を評価した。その結果、412人の児童のうち、携帯電話の使用率(ベースラインで31%、追跡期間で43%)よりもコードレス電話(ベースライン、フォローアップで76%)の使用率の方が高かった。認知アウトカムにおける変化の比較26項目のうち、4項目に有意な関連が認められた。携帯電話使用の増加は、応答阻害に対する応答時間の大幅な減少、空間的な問題解決に対する誤答の総数の小幅な減少、Stroop干渉課題に対する応答時間の大幅な増加と関連していた。検出課題の精度における小幅な減少を除いて、コードレス電話使用の増加は認知アウトカムの変化に影響しなかった。著者らは、小学校児童の携帯電話またはコードレス電話使用の変化が認知機能の変化と関連しているという限定的な証拠が認められた、と結論付けている。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | no change or decrease of mobile phone use between baseline and follow-up |
集団 2 | increase of mobile phone use between baseline and follow-up |
参照集団 3 | no change or decrease of cordless phone use between baseline and follow-up |
集団 4 | increase of cordless phone use between baseline and follow-up |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 619 |
参加者 | 412 |
参加率 | 66.5 % |
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