この研究は、妊娠中の母親の携帯電話使用と、3歳および5歳の時点での子どもの言語、コミュニケーションおよび運動スキルとの関連を調査した。この前向き調査には、1999-2008年に妊娠中期に採用した「ノルウェー母子コホート研究(MoBa)」に参加した45,389組の母子を含めた。妊娠初期の母親の携帯電話の使用頻度と、3歳および5歳の時点での子どもの言語、コミュニケーションおよび運動スキルをアンケートで評価した。ロジスティック回帰を用いて関連を推定した。その結果、妊娠初期の携帯電話使用を報告しなかった母親は9.8%、低・中・高頻度の使用を報告した母親はそれぞれ39%、46.9%および4.3%であった。母親が携帯電話ユーザーの子どもは、非ユーザーの子どもと比較して、文章の複雑さが低い[low sentence complexity]調整済みのリスクが17%(オッズ比(OR)=0.83、95%信頼区間(CI)=0.77-0.89)低かった。このリスクは、母親の携帯電話使用が低・中・高でそれぞれ13%、22%、29%低かった。加えて、携帯電話ユーザーの子どもは、非ユーザーの子どもと比較して、3歳の時点での運動スキルのスコアが低いリスクが低かったが、この関連は5歳の時点では認められなかった。母親の携帯電話使用と、コミュニケーションの低いスキルとの関連は認められなかった。著者らは、出生前の[母親の]携帯電話使用に関連した、低い言語および運動スキルのリスク低下は、携帯電話ユーザーにおける母子の相互作用の強化によって説明できるかも知れない、と結論付けている。また、母親の携帯電話使用による神経発達への悪影響の証拠は認められなかった、と報告している。
グループ | 説明 |
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参照集団 1 | mobile phone use: no |
集団 2 | mobile phone use: yes |
集団 3 | mobile phone use: low (few times a week) |
集団 4 | mobile phone use: medium (daily) |
集団 5 | mobile phone use: high (more than 1 hour daily) |
タイプ | 値 |
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評価可能 | 45,389 |
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