この研究は、弱い低周波磁界の発生により誘発される脳電位が刺激と非線形的に関連するという仮説を検証した。1 G、60 Hzの磁界を2秒間、5秒間の刺激間隔で与えた場合の脳電位を8人の被験者の後頭部の電極で記録した。各被験者は2回の測定実験に参加し、その間隔は短くとも1週間であった。記録された信号を、線形的手法(時間平均法)および非線形的手法(再帰定量化分析)で分析した。その結果、磁気感覚誘発電位(MEP)が、1つの例外を除いて、それぞれの被験者の1回目の実験および2回目の実験のどちらにおいても検出された;すべてのMEPは予想される潜時で現れたが、動的特性には差異があり、刺激との非線形的な関連を示した;MEPは時間平均法では検出されなかったため、非線形性がさらに確認された;下等生物における線形的な磁界伝達の仲介に役立つ進化的に条件付けられた構造がヒトに現れ、ただし、人工環境磁界への脆弱性を促進する役割としてではなく、機能的に使われる可能性がある、と報告している。
臨床的に正常な被験者8人(30-45歳の男性2人;18-65歳の女性6人)を調べた。磁気感覚の誘発電位は非線形であるという仮説の下では、ヒト被験者が示す脳の電気的反応は、ばく露が再現された場合であっても異なるであろうと予想される。ゆえに、参加者を少なくとも1週間の間隔で2回ばく露し、これに関する結果を比較した。
ばく露 | パラメータ |
---|---|
ばく露1:
60 Hz
Modulation type:
pulsed
ばく露時間:
2 s pulses with 5 s intervall
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再発分析(非線形分析)を用いた場合、最初の試験及び再現試験の両方で、1人の例外を除いた各被験者における磁気感覚誘発電位を検出した。全ての磁気感覚誘発電位は、磁界刺激に関連した非線形性の特徴を示した。
時間平均(線形分析)を用いた場合、磁気感覚誘発電位は検出されず、その非線形性が更に確認された。
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