この研究は、超低周波電磁界(ELF-EMF)の影響に対する雄ラット甲状腺の感受性、それからばく露終了後の甲状腺の修復能力について、形態生理学的指標を用いて測定した。ELF-EMF(50Hz、50-500 µT)の3か月間のばく露終了後に、一部のラットは屠殺され(第I群)、残りのラットは、甲状腺回復を観察した(1、2、3週間)。すなわち、ばく露終了から1、2、3週間で屠殺された(それぞれ、第II、III、IV群と称する)。組織学的および立体学的分析には、甲状腺組織のパラフィン包埋セミファイン切片を用いた。血清T3およびT4も測定した。その結果、第I、IIおよびIII群では、濾胞上皮の体積密度および甲状腺活性化指数が減少する一方、コロイドおよび毛細血管網の体積密度が増加した;第IV群では、これらすべてのパラメータの値は、対照群と同じであった;血清T3およびT4濃度は、第II、III、IV群で有意に低かった、と報告している。
合計89匹の動物を用いた。ばく露群は47匹、対照群は42匹。甲状腺の回復期間をイン・ビボで調査するため、ばく露後の屠殺の時期の違いによって動物を4群に分けた:グループ1) ばく露の翌日に屠殺、グループ2) 1週間後に屠殺、グループ3) 2週間後に屠殺、グループ4) 3週間後に屠殺。
47 animals were exposed, 42 served as control.
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | repeated daily exposure, 7 h/day, 5 days/week for 3 months |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | Animals were placed in cages which were placed symmetrically on both sides of the coil. |
Additional information | Control animals were maintained in a seperate room free of any appliances involved in generation. |
組織学的分析では、濾胞上皮の体積密度及び甲状腺活性化指数(コロイドの退席密度に対する濾胞上皮の体積密度の比率)の低下と、コロイド及び毛細管網目構造の体積密度の上昇が、グループ1、2、3に見られた。但し、グループ4におけるこれら全てのパラメータは対照群と同等であった。
血清T3及びT4濃度はグループ2-4のばく露群で対照群よりも有意に低下した。
結果は、超低周波電磁界ばく露によって生じた有意な形態生理学的変化の後、調査した回復期間では、甲状腺は形態学的には回復したが、生理学的には(ホルモンレベルは)回復しなかったことを示している。
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