【目的】この研究の目的は、皮膚及び甲状腺の肥満細胞(MC)、皮膚神経線維及び好酸球が、電磁界(EMF)の影響に対し感受性を持っているかどうかを確かめることである。【素材と方法】本実験は2月齢のウィスターラットの上に実施された。ラットは、50Hz EMF (100-300μT, 54-160V/m)に1日につき4時間、1週間のうち7日間、1ヶ月の間、ばく露された。犠牲に供されてから、皮膚及び甲状腺のサンプルが採取され、トルイジンブルー染色または間接免疫組織化学で処理された。M42グリッドが光学顕微鏡の接眼レンズに設置され、特殊な顕微鏡フレームが蛍光顕微鏡の接眼部に設置され、立体学的分析に用いられた。【結果】ばく露グループの甲状腺中の, 無傷のA型MCの数・量の密度は、制御グループと比べ、顕著に高かった。ばく露動物において、多くのMCおよび免疫反応性神経線維が皮膚に、ヒスタミン免疫反応性MCが甲状腺に観察された。立体学的データにおける違いは、マン-ホイットニー試験によれば、統計的には顕著ではなかった。【結論】結果が指し示すところは、EMF ばく露されたラットにおいては、皮膚及び甲状腺のMCにある種の変化があったことである。しかしながら、皮膚や甲状腺の他の構造の形態生理学的特徴に影響を与えるEMFに接したMC群の変化がどのような結果に至るかについては、更なる研究が必要である。
Twelve animals were exposed to the influence of ELF-EMF, another twelve animals served as controls and were maintained in a similar environment, but without the presence of artificially produced ELF-EMF.
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | repeated daily exposure for 4 hours per day for one month |
ばく露の発生源/構造 |
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Distance between exposed object and exposure source | 12 cm |
ばく露装置の詳細 | The exposure system was made of a single coil of solenoid type equipped with a cooling system and energized from 50 Hz, 220 V and 10 A via an autotransformer, which provided 100 V output. Cages with animals were placed at the both sides of the coil at a 12 cm distance and were covered with a plastic lid. The EMF produced by the coil was in the horizontal direction relative to the geomagnetic field, it was inhomogeneous and of decaying intensity along the animal cages with 300 µT and 160 V/m on the side of the cage near the coil and 100 µT and 54 V/m on the opposite side, while the value of the electric field at any other point in the room was less than 10 V/m. |
Additional information | The residential values of the magnetic and electric fields were measured to be 0.2 µT and 2.9 V/m, while the value of the geomagnetic field was 40 µT. |
ばく露群の甲状腺では、対照群と比較して、無傷のA型肥満細胞(A型:コンパクトで細胞質顆粒が豊富)の数密度及び体積密度が有意に高かった。ばく露したラットの皮膚に肥満細胞及び免疫反応性神経線維が、また甲状腺にヒスタミン‐免疫反応性肥満細胞が認められた。立体データにおける差異は統計的に有意ではなかった。
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