この研究は、甲状腺に対する50 Hzの電磁界(EMF)の影響を、光学および透過型電子顕微鏡を使用して調べた。2ヶ月齢の雄ラットに、EMF(100-300 μT、54-160 V/ m)のばく露を、1日4時間、週5日のスケジュールで1か月間与えた。その結果、ばく露群の甲状腺では、コロイド含有量低下および毛細血管拡張が現れた小胞の存在が優勢であった;立体形態学的点算法によれば、ばく露群では、濾胞上皮、濾胞間組織、毛細血管の体積密度、および甲状腺活性化指数が対照群に比べ有意な増加を示した;また、コロイドの体積密度の有意な低下を示した;甲状腺濾胞細胞の超微細構造分析によれば、ばく露群では、同じ甲状腺細胞内に数個のコロイド液滴が頻繁に観察され、時折は直径の大きな液滴も存在することが確認された;リソソーム、顆粒小胞体および細胞核の変化にも対照群との違いが観察された、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
repeated daily exposure, 4 h/day, 5 days a week for 1 month
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | repeated daily exposure, 4 h/day, 5 days a week for 1 month |
ばく露の発生源/構造 | |
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Distance between exposed object and exposure source | 12 cm |
ばく露装置の詳細 | Cages were placed on both sides of the coil, perpendicular to the coil axis and were covered with plastic lid. The coil axis was parallel to the lines of the force of the geomagnetic field. The electromagnetic field produced by the coil was in horizontal direction with respect to geomagnetic field and was inhomogeneous with decaying intensity along the cage. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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電界強度 | 160 V/m | unspecified | 測定値 | - | on the side of the cage near the coil |
磁束密度 | 300 µT | unspecified | 測定値 | - | on the side of the cage near the coil |
磁束密度 | 100 µT | unspecified | 測定値 | - | at the opposite end of the cage away from coil |
電界強度 | 54 V/m | unspecified | 測定値 | - | at the opposite end of the cage away from coil |
磁束密度 | 40 µT | unspecified | 測定値 | - | geomagnetic field in north-south direction d: Erdmagnetfeld in Nord-Sü |
データは、甲状腺に対する電力周波数電磁界の刺激作用を証明した。
例えば、ばく露群ではコロイド量が少ない嚢及び拡張した毛細血管の優勢が認められた。立体カウンティングでは、対照と比較して、濾胞上皮、濾胞間組織及び毛細血管の体積密度、ならびに甲状腺活性化指数の統計的に有意な増加が認められた。
甲状腺の構造的変化は有害な影響と見なせるほど深刻ではなかったが、甲状腺が50Hz電磁界に対して敏感かも知れないことに照らせば重要である。
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