この研究は、電磁界(EMF)ばく露が、鳥類に免疫反応を引き起こし、酸化ストレスレベルを変化させるか否かを実験で調べた。飼育されているオスのチョウゲンボウを対照群とばく露群に分け、ばく露群は、野生のチョウゲンボウが経験するものと同等のEMF条件下で飼育された。その結果、短期(1繁殖期)のEMFばく露では、繁殖期の前半に、血漿総タンパク質、ヘマトクリット、およびカロチノイドが低下した;また、前半に赤血球細胞およびリンパ球の割合が低下した;繁殖期の終わりに、顆粒膜の割合が増加した;長期(2繁殖期)のEMFばく露では、繁殖期の前半に、ヘマトクリットが低下した;以上の知見から、短期EMFばく露を受けた鳥のみが免疫反応を経験することが示された、と報告している。
2つの実験を実施した。ばく露の短期的(1回の繁殖期)影響について、つがいを無作為にばく露群と偽ばく露群に割り当てた(各群25組)。長期的(2回の繁殖期)影響については、13組のつがいを対照群、15組をばく露群とした。本研究では雄のチョウゲンボウのみを用いた。
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | 23.5 h/day for 91 days |
Additional information | equivalent to those fields experienced by free-ranging kestrels when nesting under 735-kV transmission lines running at peak capacity |
ばく露の発生源/構造 |
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チャンバの詳細 | each pair was housed in a similar sized pen (0.7 x 0.7 x 1.2 m) |
1回の繁殖期 にばく露された雄のチョウゲンボウでは、対照群と比較して、血漿中の総タンパク質レベル、ヘマトクリット値、赤血球、リンパ球、カロチノイドの有意な減少が認められたが、顆粒膜細胞の総数は有意に増加した。総タンパク質、ヘマトクリット及びカロチノイドの抑制は、繁殖期の前半に生じた。
2回の繁殖期 にばく露された雄のチョウゲンボウでは、対照群と比較して、繁殖期の前半にヘマトクリットが有意に減少した。
著者らは、送電線由来のものと同様の電界及び磁界への短期的ばく露は、アメリカチョウゲンボウに免疫応答を誘発するようであると結論付けている。加えて、短期的及び長期的ばく露は酸化ストレスを生じ得る。
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