この研究は、電磁界(EMF)へのばく露がアメリカチョウゲンボウ(Falco sparverius)のヒナの成長に影響を与える否かを調べた。野生環境中の送電線近くで発生するものと同様のEMF条件を制御できる実験室環境下で、巣立ち前のヒナは両親の親鳥によって育てられた。ヒナは、親鳥に抱卵されている時に胚としてEMFばく露を受けた、孵化後3日ごとに、体重、足根骨、前腕骨、羽毛の長さを測定した。その結果、電磁界ばく露は、雌雄のヒナの成長に影響を及ぼし、胚期にEMFばく露を受けたヒナおよび幼鳥は、体重が多く、足根骨が長かった;オスのばく露群では、対照群に比べ、体重増加および前腕伸長が最大に達する時期は遅れたが、21日齢で比較すると、体重は重く、前腕の長さは同じになった;9枚からなる初列風切羽(翼の先端部)の9番目の羽および尾羽の中央の羽の成長にはEMFばく露の影響は見られなかった、と報告している。
チョウゲンボウの2群を、1995及び1996年の繁殖期を通じて対照条件及びばく露条件で飼育した。チョウゲンボウがつがいになった直後からばく露を開始し、1995年には95日間、1996年には91日間、または最後の雛の巣立ちから1週間後まで続けた。合計で雌の雛12羽(対照群6羽、ばく露群6羽)及び雄の雛15匹(対照群6羽、ばく露群9羽)を調べた。適用した電磁界は、ピーク容量で運用中の735kV送電線の40m以内で野生のチョウゲンボウが営巣する際に経験するものと同等とした。
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | 21 hr/day for 95 days in 1995, 23.5 hr/day for 91 days in 1996 |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | kestrels kept in 0.7 m x 0.7 m x 1.7 m breeding pen with a 0.3 m x 0.3 m x 0.4 m wooden nest box |
Additional information | the applied field was equivalent to the field of a 735 kV transmission line in a distance of 40 m |
電磁界ばく露は雌雄のチョウゲンボウの雛の成長に影響を及ぼした。ばく露された雌雄の巣立ち前(21日齢時)及び巣立ち後の雛(27及び36日齢)は、対照群の雌雄の巣立ち前及び巣立ち後の雛よりも重く、足根骨が長かった。体重増加が最大の期間は平均して、ばく露群の雄では対照群の雄よりも1.1日齢遅かった。前腕の成長が最大の期間は、ばく露群の雄では対照群の雄よりも1.1日齢遅かったが、前腕の長さ及び成長率はばく露群と偽ばく露群の雛で同等であった。体重増加、足根及び前腕の成長が最大の期間は、対照群の雌(8.4日後)よりも対照群の雄(7.1日後)の方が早く始まったが、ばく露群の雄(8.1日後)ではばく露群の雌(8.2日後)と変わらなかった。雛の9番目の初列風切及び中央尾羽の成長はばく露に影響sれなかった。ばく露下では、雄の体重増加及び骨の成長が最大の期間は、雌よりも早期には生じなかった(対照群では早期に生じた)。
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