<目的>大規模コホートで、従来の研究より多くの症例を用い統計的精度の 良い方法で、広範かつ細心な曝露評価と交絡因子の検討を行い、全てのガンリスクと電磁界曝露との関連を調べる。<方法>オンタリオハイドロとハイドロケベック及びEDFの3社の男性従業員約22万人から1970-1989年間に診断されたガン症例4151人をカナダの場合は雇用者かガン登録など複数記録から、フランスでは雇用者記録から抽出し、同数或いは血液ガン、脳腫瘍、メラノーマでは4倍の同年齢の対照を同じコホートから任意に選び、磁界曝露量と比較した。フランスでは60才以上は追跡出来なかった。同種の職業従業員2066人に個人曝露量計(Positron)を携帯させ、職業ー曝露マトリックスを電力毎に作り、現在の曝露量で過去の値を推定した。発癌に関連する物理的、化学的因子、イオン化放射、喫煙、社会経済的地位など交絡因子の検討を行った。<結果>1)累積磁界曝露量の中央値が3.1μT年以上の群は急性非リンパ性白血病リスクが有意に多くなった(OR 2.41 CI:1.07-5.44 n=33)。その78%を占める骨髄性白血病のリスクも有意に多くなった(OR 3.15 CI:1.20-8.27 n=26)。2)職場における平均磁束密度が0.2μT以上と以下とを比べると、急性非リンパ性白血病と急性骨髄性白血病のリスクが増加した(表7)。しかし、その量ー反応関係は明らかでない。3)3電力では相関の傾向が異なり、OHは強く、EDFは弱く、HQはなかった。4)累積磁界曝露量が90%タイル(15.7μT年)以上の人は脳腫瘍のリスクが有意ではないが増加した(表3)。5)他のガンでは、磁界との関連はなかった。交絡因子の補正によっても結果は変わらなかった。
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