この研究は、電力周波(北米では60Hz)磁界の影響を、脳電図(EEG)および機能的磁気共鳴画像撮影(fMRI)を同時に用いて評価した。被験者25人が、MRIスキャナの傾斜磁界コイルを用いて発生させた正弦波60 Hz磁界への実ばく露または偽ばく露に関する擬似的二重盲検実験に参加した。ばく露条件は、(i) 3 mTで10秒間ばく露(10回反復);(ii) 7.6 mT で2秒間ばく露(100回反復)とした。アルファ帯域(8-12 Hz、先行研究で磁界ばく露に対して最も敏感と報告されている)での後頭部のEEGスペクトルパワーを、ばく露の有無で計算した。脳機能活性をfMRIの血中酸素濃度依存性(BOLD、EEGのアルファ帯域のパワーと逆相関)マップを用いて調べた。その結果、どちらのばく露条件でも、ばく露後の後頭部EEGのアルファ帯域のパワーに有意な影響は認められなかった。脳のいずれの部位でも、fMRIを用いたBOLDマップに影響は認められず、EEGの結果と整合した。著者らは、この結果は、3-7.6 mTの60 Hz磁界(一般公衆の平均的なばく露レベルよりも30000-76000倍高い)への急性ばく露(2-10秒)は、EEGまたはBOLD信号において検出可能な変化を生じないことを示唆している;3 mTの60 Hz磁界への1時間のばく露後のBOLD信号に影響が認められた先行研究の知見とあわせて、低いmT範囲(<10 mT)の磁界ばく露が検出可能な影響を生じるには長いばく露時間が必要かも知れないことを示唆している、と結論付けている。
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | intermittent 12 x for 10 seconds |
Additional information | subjects wore earplugs to reduce noises produced by the MRI scanner, and also to prevent them from hearing the sound produced by the MRI scanner during the 60 Hz MF exposure; subjects were equipped with an EEG cap and with a pulse oximeter on the index finger |
ばく露の発生源/構造 | |
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Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 3 mT | - | - | - | first exposure |
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | intermittent 100 x for 2 seconds |
ばく露の発生源/構造 |
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測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 7.6 mT | - | - | - | second exposure |
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