この研究は、ボランティア実験で、50、16.66、13、10、8.33、4 Hzまでの一連の超低周波磁界(ELF MF)ばく露が、その周波数に対応する帯域の脳電図(EEG)スペクトルの相対パワーを変化させるか否かを調べた。33人の被験者は、二重ブラインド化、カウンターバランスした実験デザインで試験を受けた。反復測定三元配置分散分析(ANOVA)の混合デザイン(被験者内および被験者間)分析を行った後、事後t検定およびボンフェローニα補正を行った。その結果、8.33および10 HzのMFばく露セッションの最初の10 – 16分間において、側頭葉および頭頂葉での狭帯域のalpha1(7.5 - 9.5 Hz)およびalpha2(9 - 11 Hz)バンドが、対照セッションのものに比べ有意に低下した;また、前頭葉領域でのbeta1(12 - 14 Hz)バンドは、最初の13Hz MFばく露セッションの開始前後で有意に増加した、と報告している。
50Hzから、16.66Hz、13Hz、10Hz、8.33Hz、4Hzまでの一連の超低周波磁界ばく露が、これに対応する被験者33人の脳電図(EEG)周波数帯域内の相対パワーを変化させ得るかどうかを調べること。
刺激(ばく露)前にベースラインのEEGを1分間記録した。各刺激(50Hz、16.66Hz、13Hz、10Hz、8.33Hz、4Hz)を2分間続けた後、EEGを1分間記録した。同じ手順を偽ばく露について反復した。対照とばく露セッションの順序は無作為に決定した(2つのセッションの間に30分間の休憩あり。以後のEEG分析では対照とばく露の順序は重要な要因として考慮した)。
EEGの周波数帯域は独自に定義し(アルファ波1(7.5-9.5Hz)、アルファ波2(9-11Hz)、ベータ波1(12-14Hz)、ベータ波2(15.5-17.5Hz))、一般的なEEG周波数帯域の定義は考慮しなかった。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
4–50 Hz
ばく露時間:
2 min for each frequency, followed by 1 min EEG recording
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ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | pair of Helmholtz coils with a radius of 65 cm and 250 turns of 0.8 mm copper wire producing a highly homogeneous field; test person placed between the coils in supine position perpendicular to the coil's axis in a RF shielded room |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 20 µT | effective value | 測定値 | - | - |
8.33Hz及び10Hzの磁界ばく露に関連する、アルファ波1(7.5-9.5Hz)及びアルファ波2(9-11Hz)の周波数帯域は、対照群と比較して、最初の磁界ばく露セッションの10-16分以内に側頭部及び頭頂部で有意に低下した(ばく露セッションが先、次いで対照セッション)。但し、磁界ばく露の第二セッション(対照セッションが先、次いでばく露セッション)では、アルファ波の周波数帯域の相対パワーは偽ばく露セッションよりも有意に高かった(検査開始から60-65分)。
加えて、ベータ波1(12-14Hz)の周波数帯域は、前頭部での最初の磁界ばく露セッション中、13Hzばく露前からばく露後までに有意な上昇を示した。
このデータは、ヒトのアルファ波及びベータ波の周波数帯域のEEG活動を、これらに対応する周波数帯域の磁界ばく露によって、磁界条件の順序及び期間に応じて変化させることができることを示している。アルファ波及びベータ波正弦波磁界刺激による、この種のEEGのアルファ波及びベータ波の同期は、特に睡眠及び神経疾患といった神経生理学的な機能不全の治療用処理として適用できるかも知れない。
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