<目的>磁界が免疫機能に影響することが示唆されているがデータは明確ではない。本実験ではばく露期間を変えてT細胞及びB細胞の増殖能を検討する。 <方法>雌のSprague-Dawleyラット、44~47日齢、(体重約160gr)。50Hz、水平磁界100μTを7h/d、7d/w、2、4、8、13週ばく露後免疫機能を検査。T細胞を活性化するためコンカナバリンA(Con A)を、B細胞を活性化するためヤマゴボウマイトジェン(PWM)を加えた。インターロイキン1(IL-1)も測定。 <結果>図1に示すようにリンパ球はすべてのばく露期間においてばく露群で有意に減少していた。図2に示すようにCon Aで刺激したT細胞増殖は対照群ではばく露期間が延びるにつれて増大する傾向を示した。ばく露群では2週で最も強く増大し、8週では有意差がなくなり、13週では逆に有意に低下した。T細胞の増殖率を図3にプロットしなおした。PWMで刺激したBリンパ球については各期間有意差は認められなかった。メラトニンを加えた場合のデータを図4に示すが、生理的値の100~200倍に相当する100nMを加えた場合にのみ有意の増加がみられた。図5にPWMで刺激したB細胞からのIL-1活性を示すが有意差はない。 <結論>T細胞にみられた3相性変化(活性化ー警告反応、寛容ー抵抗、抑制ー疲弊)は中等度のストレッサーを慢性的にさらしたときの生体の反応に似ている。これは磁界に対する反応は他の環境ストレッサーに対するのと同様であるという仮説を補強するものである。
(英文不記載)
雌のラットを磁界(50Hz/100µT)に連続的に最大13週間ばく露した。2、4、8、13週後に、脾臓リンパ球を培養し、Tリンパ球及びBリンパ球の増殖能、ならびにインターロイキン1産生を評価した。この目的のため、リンパ球をマイトジェン活性化し、Tリンパ球及びBリンパ球に対してコンカナバリンA及びヤマゴボウマイトジェンをそれぞれ用いた。
ばく露 | パラメータ |
---|---|
ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 2 weeks.
|
|
ばく露2:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 4 weeks.
|
|
ばく露3:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 8 weeks.
|
|
ばく露4:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 13 weeks.
|
|
Merritt et al.(1983)
周波数 | 50 Hz |
---|---|
タイプ |
|
波形 |
|
ばく露時間 | continuous for 2 weeks. |
ばく露の発生源/構造 |
|
---|---|
チャンバの詳細 | Trovidur exposure chambers placed on wooden posts in an exposure room/ 7.32 m x 4.52 m. |
ばく露装置の詳細 | Four acrylic cages each 39 cm x 55 cm x 22 cm per exposure chamber with seperate wooden posts placed inside the coil system |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass |
---|---|---|---|---|
磁束密度 | 100 µT | effective value | 測定値 | unspecified |
周波数 | 50 Hz |
---|---|
タイプ |
|
波形 |
|
ばく露時間 | continuous for 4 weeks. |
ばく露の発生源/構造 |
|
---|---|
チャンバの詳細 | Trovidur exposure chambers placed on wooden posts in an exposure room/ 7.32 m x 4.52 m. |
ばく露装置の詳細 | Four acrylic cages each 39 cm x 55 cm x 22 cm per exposure chamber with seperate wooden posts placed inside the coil system |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass |
---|---|---|---|---|
磁束密度 | 100 µT | effective value | 測定値 | unspecified |
周波数 | 50 Hz |
---|---|
タイプ |
|
波形 |
|
ばく露時間 | continuous for 8 weeks. |
ばく露の発生源/構造 |
|
---|---|
チャンバの詳細 | Trovidur exposure chambers placed on wooden posts in an exposure room/ 7.32 m x 4.52 m. |
ばく露装置の詳細 | Four acrylic cages each 39 cm x 55 cm x 22 cm per exposure chamber with seperate wooden posts placed inside the coil system |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass |
---|---|---|---|---|
磁束密度 | 100 µT | effective value | 測定値 | unspecified |
周波数 | 50 Hz |
---|---|
タイプ |
|
波形 |
|
ばく露時間 | continuous for 13 weeks. |
ばく露の発生源/構造 |
|
---|---|
チャンバの詳細 | Trovidur exposure chambers placed on wooden posts in an exposure room/ 7.32 m x 4.52 m. |
ばく露装置の詳細 | Four acrylic cages each 39 cm x 55 cm x 22 cm per exposure chamber with seperate wooden posts placed inside the coil system |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass |
---|---|---|---|---|
磁束密度 | 100 µT | effective value | 測定値 | unspecified |
Bリンパ球のマイトジェン応答性、ならびにインターロイキン1産生は、磁界ばく露によって変化しなかった。但し、Tリンパ球は磁界ばく露の際に三相性の変化を生じた。2週間の磁界ばく露ではマイトジェン応答性の顕著な上昇につながり、4週後では上昇はより少なく、8週後では対照群との差は認められず、13週後ではマイトジェン応答性は有意に低下した。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。