この研究は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌を用いた実験で、超低周波(< 300 Hz)電磁界(ELF-EMF)ばく露が細胞の増殖速度に与える影響を調べ、さらに、形態学的変化が生じる可能性も調査した。6つの細菌株(3つのグラム陰性菌と3つのグラム陽性菌)に、50 Hz、0.5 mTのELF-EMFばく露を連続的に最大6時間与えた。ばく露終了後に、それぞれの培地から細菌を収集し、新鮮な培地に移し、磁界ばく露なしでさらに4時間培養した。その4時間の間、1時間ごとに光学密度(OD)測定を行なって増殖速度を決定した。形態学的変化は、3時間の磁界ばく露終了直後に収集された2つのグラム陰性菌および2つのグラム陽性菌について透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。その結果、すべての菌株において、ELF-EMFばく露群では、その対照群に比べ、増殖速度の低下が観察された;その増殖速度低下は、ばく露終了後に磁界ばく露なしで培養された細菌でも継続して観察された;すべての菌株において、ELF-EMFばく露群では、超微細構造の有意な変化が観察され、その変化はカチオン性ペプチド誘発性の変化に類似した、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for up to 6 h
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for up to 6 h |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | Helmholtz coils with an inner diameter of 20 cm and 400 turns of copper wire positioned parallel to the ground; 15 ml falcon tube containing culture medium of 1 cm height centered in the vertical axis of the coil system; exposure system placed in an incubator |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 0.5 mT | - | 測定値 | - | +/- 0.05 mT |
超低周波電磁界ばく露の際、対照サンプルと比較して、全ての細菌株で成長率の低下が見られた。成長率の低下はばく露後も持続した。ばく露した全ての細菌株で、有意な超微細構造の変化が認められた(例:細胞壁の崩壊、細胞壁から細胞質膜の後退、細胞壁の拡大、細胞質の変化)。
このデータは、超低周波電磁界はグラム陽性及びグラム陰性菌の両方に対し、成長率の低下及び形態学的変化を生じることを示した。
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