この研究は、超低周波電磁界(ELF-EMF)へのばく露によって引き起こされる環境ストレスに原核微生物が適応するための戦略を活性化する能力を調べた。培養した大腸菌ATCC 700926を用いて、50 Hz磁界(磁束密度は0.1、0.5、1.0 mT;ばく露時間は20〜120分間)へのばく露群、およびそれぞれの擬似ばく露対照群で、生菌数および培養可能な生菌数、生存状態、抗菌薬感受性傾向、形態学的分析、遺伝子型および転写プロファイルを調べた。その結果、ばく露群と対照群で、生菌数および培養可能な生菌数は同様であった;ばく露後の試料をソレノイドの外で24時間の再インキュベートした場合、対応する対照群に比べ生存率上昇が観察された;20〜120分の50 Hzの磁界ばく露は、球状の細胞の存在など大腸菌の形態型に有意な変化をもたらした;さらにソレノイドの外で24時間の再インキュベートした後では、球状の細胞はクラスターに凝集した;各磁束密度の50 Hzばく露群において、DNAフィンガープリントにおける変化はなく、RNA-AFLP分析におけるいくつかの違いが観察された、と報告している。
微生物が、ELF電磁界ばく露による環境ストレスに自身を適応させる際に、戦略を活性化させる能力を調べるため、培養した大腸菌Escherichia coliを50Hz(0.1、0.5、1.0mT)にばく露した。
培養サンプルを20分間(急性ばく露)または120分間(約6世代、慢性ばく露))ばく露し、インキュベータ内でスイッチをオフにしたソレノイドの外(バックグラウンド電磁界が100nT(50Hz))に24時間置いた。5回の独立した実験を実施し、それぞれの実験を3回繰り返した。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 20 or 120 min |
細胞数はばく露及び偽ばく露サンプルで同様に示したが、細胞の生存能力は、対照群と比較して、ソレノイドの外で24時間再インキュベートしたばく露サンプルで強まること観察された。
20-120分間のばく露は形態型の有意な変化を生じ、球菌細胞が存在する場合、ソレノイドの外での24時間の再インキュベート後、クラスタ状に集積した。非定型の延びた細菌型も見られた。
評価した度の電磁界強度でも、遺伝子型及び転写プロファイルには変化は見られなかった。
50Hz電磁界ばく露は、超低周波電磁界に関する急性及び慢性影響の研究に適したモデルの代表となり得る細菌に対するストレス要因として作用することを、データは示している。
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