この研究は、シナプトソーム膜のアセチルコリンエステラーゼ(AChE)活性に対する超低周波磁界(ELF-MF)の影響を調べた。その結果、振幅がさまざまな50Hz正弦波磁界を与えた場合、振幅の閾値約0.74mTで、AChE活性は約27 %低下した;酵素活性の低下は、磁界のばく露時間とは無関係であり、完全に可逆的であった;同じ振幅の静磁界のばく露でも、同じ結果が得られた;さらに、酵素活性の抑制効果は、60、200、350、および475Hzの周波数ウィンドウで広く見られ、各ウインドウで最大値は異なっていた;シナプトソーム膜をTritonで溶解させた場合、ELF-MFはAChE活性に影響を与えなかった;この知見から、不活化条件を決める上で、膜および酵素の脂質結合が重要な役割を持つことが示唆された、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 5 min |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | coil consisting of 100 turns of 0.5 mm diameter copper wire with 0.1 mm insulation wound around a 6 cm high cylindrical plexiglass sample holder with a diameter of 2 cm; 4 cm high 1 cm x 1 cm polycarbonate cuvette placed in the center of the sample holder; uniform MF in the sample holder |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | maximum | 計算値 | - | - |
周波数 | 10–650 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 1 min |
ばく露の発生源/構造 |
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Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | maximum | 計算値 | - | - |
周波数 |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 5 min |
ばく露の発生源/構造 |
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Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | maximum | 計算値 | - | - |
振幅が異なる正弦波50Hz磁界へのばく露は、アセチルコリンエステラーゼ酵素活性を約27%低下させ、その閾値は約0.74mTであった。酵素活性の低下はばく露の持続時間には依存せず、完全に可逆的であった(ばく露中にのみ検出できた)。
振幅が同じ静磁界ばく露についても同じ結果が得られた。更に、酵素活性に対する抑制作用は周波数の窓を超えて拡大し、60、200、350、475Hzでは最大値が異なる。
シナプトソーム膜をトリトン(ナイーブな状態の膜タンパク質を可溶化する)で可溶化した場合、酵素活性に対する磁界の影響は見られず、このことは、不活性化のための条件を判定する上で、膜、ならびに、脂質と酵素とのリンケージの極めて重要な役割を示唆している。
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