著者:
Fey DP, Greszkiewicz M, Jakubowska M, Lejk AM, Otremba Z, Andrulewicz E, Urban-Malinga B
掲載誌: Sci Total Environ 2020; 707: 135489
沖合の風力発電設備や海底電力ケーブル等の人工構造物による地磁気のかく乱の影響が増加していることから、この研究は、10 mTの静磁界または1 mTの50 Hz磁界が、魚類の聴覚と平衡感覚を司る内耳器官の発達の不安定性に影響を及ぼすかどうかを、実験室で37日間(卵の段階で13日間、幼魚の段階で24日間)飼育したニジマス(Oncorhynchus mykiss)における耳石の大きさの左右対称性の揺らぎ(FA)で調べた。静磁界及び50 Hz磁界の強度は、海底の直流及び交流ケーブルの近傍で記録された値を用いた。その結果、耳石のFAに対する静磁界の影響力は統計的に有意で、孵化後日数が5日目(5 dph)の幼魚のグループで最も有意であった(15 dph及び23 dphの幼魚との比較)。また、対照群と比較して、50 Hz磁界ばく露群の耳石のFAも大きかったが、その差は統計的に有意ではなかった、と著者らは報告している。