この研究は、50 Hz、3 mTの超低周波(ELF)磁界ばく露に対する線虫[Caenorhabditis elegans]の生理学的応答を調べた。線虫を卵の段階から第四幼虫期(L4)までばく露した後、トリカルボン酸(TCA)サイクル酵素の発現をqRT-PCR及びウェスタンブロット分析で調べた。2つの脂質代謝物をガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)で検出した。活性酸素種(ROS)レベルをジクロロフルオレセイン染色で検出し、線虫の抗酸化系を酵素活性分析で調べた(スーパーオキシドジスムターゼ及びカタラーゼの活性、ならびに総抗酸化能(T-AOC)の検出を含む)。その結果、ばく露条件ではTCAサイクル酵素のフマラーゼの発現の低下、アラキドン酸(ArA)及びプロスタグランジンE2(PGE2)の濃度の上昇、PGE2シンターゼ(PGES-2)の発現の上昇、ROSレベルの有意な上昇、T-AOCの有意な抑制が認められた。これらの結果は、50 Hz、3 mTのELF磁界ばく露は線虫におけるTCAサイクル代謝及びPGE2産生の攪乱を生じ得ることを示しており、これはELF磁界による酸化ストレス応答が関係している、と著者らは結論付けている。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1: |
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