この研究は、複数世代にわたる生物に対する超低周波(ELF)磁界への連続的なばく露の影響を調べた。モデル生物としての線虫(Caenorhabditis elegans)を、20 °C、50 Hz、3 mTのELF磁界に複数世代にわたって卵からばく露した。長期ばく露後、15世代目の成虫のATPレベルおよびATPアーゼを検出し、ATPシンターゼをエンコードする遺伝子((r53.4、hpo-18、atp-5、unc-32、atp-3)の発現レベルをRT-PCRで調べた。線虫の抗酸化系において、活性酸素種(ROS)のレベルをジクロロフルオレセイン染色で検出し、総抗酸化能(T-AOC)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)およびカタラーゼ(CAT)活性を調べた。また、SODをエンコードする遺伝子(sod-1、sod-2、sod-3)の発現を検出した。その結果、15世代目の成虫において体長の有意な増加、ATP含量の有意な増加、ATP合成活性の有意な増強、ATPシンターゼをエンコードする遺伝子の発現レベルの有意な上方制御、SOD活性の有意な上昇、SODをエンコードする遺伝子の発現レベルの有意な上方制御が認められた。これらの結果は、50 Hz、3 mTのELF磁界への多世代にわたる連続ばく露は、線虫の体長を増加させ、ATP合成を誘導し、抗酸化能を増強し得ることを示している、と著者らは報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1: 50 Hz |
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