研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[超低周波電磁界への複数世代にわたる連続ばく露下でのCaenorhabditis elegans[線虫]のATPレベルと抗酸化能の増強] med./bio.

Enhancement in the ATP level and antioxidant capacity of Caenorhabditis elegans under continuous exposure to extremely low-frequency electromagnetic field for multiple generations

掲載誌: Int J Radiat Biol 2020; 96 (12): 1633-1640

この研究は、複数世代にわたる生物に対する超低周波(ELF)磁界への連続的なばく露の影響を調べた。モデル生物としての線虫(Caenorhabditis elegans)を、20 °C、50 Hz、3 mTのELF磁界に複数世代にわたって卵からばく露した。長期ばく露後、15世代目の成虫のATPレベルおよびATPアーゼを検出し、ATPシンターゼをエンコードする遺伝子((r53.4、hpo-18、atp-5、unc-32、atp-3)の発現レベルをRT-PCRで調べた。線虫の抗酸化系において、活性酸素種ROS)のレベルをジクロロフルオレセイン染色で検出し、総抗酸化能(T-AOC)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)およびカタラーゼ(CAT)活性を調べた。また、SODをエンコードする遺伝子(sod-1、sod-2、sod-3)の発現を検出した。その結果、15世代目の成虫において体長の有意な増加、ATP含量の有意な増加、ATP合成活性の有意な増強、ATPシンターゼをエンコードする遺伝子発現レベルの有意な上方制御、SOD活性の有意な上昇、SODをエンコードする遺伝子発現レベルの有意な上方制御が認められた。これらの結果は、50 Hz、3 mTのELF磁界への多世代にわたる連続ばく露は、線虫の体長を増加させ、ATP合成誘導し、抗酸化能を増強し得ることを示している、と著者らは報告している。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 3 mT - - - -

Reference articles

  • Sun Y et al. (2019): [超低周波電磁界ばく露に対する土壌線虫Caenorhabditis elegansのリピドームの変化及びストレス防衛機序]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究助成

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