この研究は、超低周波(ELF)磁界とアルミニウム(Al)への共ばく露が、ヒト線維芽腫細胞SH-SY5YおよびSK-N-BE-2に及ぼす影響を調べた。細胞を50 HzのELF磁界(0.01、0.1、1 mT)または塩化アルミニウム(AlCl3、4、40 mM)に連続的に1時間または間欠的に5時間、単独ばく露あるいは共ばく露し、その影響をDNA損傷、酸化還元状態の変化、および熱ショックタンパク質Hsp70の発現について評価した。DNA損傷はコメットアッセイで評価した。酸化還元状態は還元型グルタチオン(GSH)およびグルタチオンジスルフィド(GSSG)の量で測定した。Hsp70の発現はウェスタンブロット分析およびリアルタイムRT-PCRで評価した。その結果、ELF磁界またはAlCl3への単独ばく露は、どちらの細胞株でも対照群と比較して、DNA損傷、GSH/GSSHの比率、またはHsp70発現に変化を生じなかった。同様に、ELF磁界とAlCl3への共ばく露は、相乗的な毒性作用を生じなかった。この結果は、ELF磁界とアルミニウムへの短期ばく露がヒト線維芽腫細胞SH-SY5YおよびSK-N-BE-2に有毒な作用を及ぼし得ることはなさそうであることを示している、と著者らは結論付けている。
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