[長期磁界ばく露(60 Hz,5 mT)はX線誘発の突然変異を増大させる] med./bio.

Long-term exposure to a magnetic field (5 mT at 60 Hz) increases X-ray-induced mutations

掲載誌: J Radiat Res 1999; 40 (1): 13-21

<方法>細胞培養条件:中国産ハムスターの卵巣K1細胞(CHO-K1)。HamF-12培地、空気95%・CO2 5%、温度37℃。倍加時間は12±0.5時間。 曝露磁界、X線曝露:曝露装置の詳細は他の論文に記載。5mT低周波磁界(60Hz)に最大で6週間曝露。実験環境中のシャム曝露の(漏洩)磁界は0.5μT以下。培養はドーナツ型シャーレを使用。 <結果>長期磁界曝露のみ(4回反復実験):HPRT遺伝子突然変異平均数は磁界曝露とシャム曝露との間で著しい変化なし。(表1、図1)。3GyのX線照射後最大6週間の磁界曝露とシャム曝露との比較(3回反復実験)同突然変異体平均数は、X線照射後の磁界曝露の場合が同後シャム曝露の場合よりも曝露期間全体にわたり大きかった。(磁界の長期曝露がX線誘発突然変異を著しく高める)(表2、図2)。 <考察>(1)5mT低周波磁界の最大6週間の長期曝露によるCHO-K1細胞の突然変異頻度への影響は無いといえる。従って、HPRT遺伝子の自発的突然変異が5mTの磁界曝露が無くても増大する可能性がある。(2)3GyのX線照射により、突然変異は増大した。X線照射後の400mT低周波磁界曝露により突然変異は高まるが、5mTの同長期曝露によってもX線誘発突然変異が高まることが示された。(3)しかし、CHO-K1細胞の5mT、低周波磁界の長期曝露によりHPRT遺伝子突然変異が増大することがないことが本実験によって明らかにされた。環境下の電磁界に起因するがん誘発はありそうもないことになるが、X線と低周波磁界の複合曝露の効果についてはさらなる研究が必要である。

ばく露

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