この研究は、マウスを用いた磁界の短期ばく露および長期ばく露実験を行い、免疫系および肝臓組織への影響を調べた。50 Hz、100 µTの低周波磁界の短期(10日間または20日間)および長期(50日間)のばく露を実施した。その結果、長期ばく露群では、短期ばく露群に比べ、すべての組織で大きな影響が見られた;組織学的には、脾臓および肝臓組織の方が胸腺組織よりも大きく影響を受けた;脾臓および肝臓切片で、破壊が観察された;肝臓の肝細胞の超微細構造の観察では、非常に不規則な核、自己消化されたクロマチンが現れ、ミトコンドリアのほとんどが変性し、クリステを消失していた;さらに、ほとんどの脾臓切片で、巨核球の散在が見られた;胸腺組織は、髄質領域で細胞集団の減少、ほとんどの皮質領域である種の核濃縮の存在を示した、など多数の知見を報告している。
2グループのマウス(対照群及び実験群)を用いた(各n=10)。
対照群の組織切片は正常に見えたが、組織病理学的検査では、ばく露群、特に20及び50日間のばく露後の組織に損傷が見られた。
ばく露マウスの胸腺では、20日後にリンパ球の集団の中程度の喪失が見られ、50日後には核濃縮細胞が見られた。更に、胸腺組織では、グルタチオンS-トランスフェラーゼの酵素活性の上昇が見られた。
ばく露マウスの脾臓では、脾細胞の枯渇及び巨核球の存在が認められ、ばく露期間を延長した場合、脾臓組織での病変がより顕著になった。加えて、グルタチオンS-トランスフェラーゼの酵素活性がばく露時間により徐々に減少した。
ばく露マウスの肝臓でも、グルタチオンS-トランスフェラーゼの酵素活性が時間依存的に減少した。ばく露マウスの肝臓の超微細構造の検査では、非常に不規則な核、自己分解したクロマチン、変性したミトコンドリアが見られた。
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