【目的と方法】炎症状態における骨芽細胞に対する低周波パルス電磁界(PEMF)とそれによる誘導電界の影響を調べるためのインビトロ実験系を製作した。骨芽細胞(7F2)をキトサン足場の上面に撒き、培養ウェルの底面で増殖するマクロファージ細胞(RAW 264.7)と共培養し、リポ多糖の刺激により一酸化窒素(NO)を含む活性酸素種を放出させた。共培養をPEMF(磁界強度1.5 mT; 誘導電圧2.5 mV; 周波数75 Hz; パルス幅1.3 ms)に9時間ばく露した。ばく露終了直後と7日後に骨芽細胞の増殖、バイアビリティ、アルカリフォスファターゼ(ALP)活性、コラーゲン・タイプI(COL I)およびオステオカルシン(OC)の遺伝子発現を調べた。結果:PEMFばく露の前と後にマクロファージ細胞のバイアビリティと培養液中のNO濃度を測定した。PEMFばく露された共培養群は、ばく露終了の7日後に有意に高値のNO(65μM、対照群は17 μM)を放出した。細胞毒性があると報告されているNOが高レベルの培養液にも拘らず、PEMFばく露された骨芽細胞は対照群に比較して、増殖(23%)、バイアビリティ(36%)、COL IのmRNA発現(3.4倍)の増加を示した。一方、ALP活性は対照群より41%低かったが、これは活発な細胞増殖とCOL I発現とに関連していた。OC mRNAの発現はPEMF群でも対照群でも見られなかったが、これはばく露後7日の時点ではまだ細胞が石灰化段階に入っていなかったことを示す。
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