研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[敏感なSOSベースのVITOTOXテストを用いたネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)におけるELF磁界の遺伝毒性調査] med./bio.

Genotoxicity investigation of ELF-magnetic fields in Salmonella typhimurium with the sensitive SOS-based VITOTOX test

掲載誌: Bioelectromagnetics 2011; 32 (7): 580-584

この研究は、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)を用いた実験で、超低周波(ELF)磁界MF、50 Hz磁束密度は100および500 μT、ばく露時間は1および2時間)の単独ばく露、および既知の化学変異原とMFの組み合わせばく露による遺伝毒性影響を調べた。影響評価には、S. typhimurium菌に非常に感度の高いレポータアッセイであるVITOTOX試験を用いた。この試験はSOS応答に基づいている。その結果、ELF-MFは、S. typhimurium菌にSOSベースの変異原性を誘発せず、化学変異原と組み合わせた場合には相乗効果を示さないことが示された、と報告している。

研究目的(著者による)

ネズミチフス菌 Salmonella typhimurium での敏感な試験システム(VITOTOX試験)を用いて、超低周波磁界単独、または既知の化学変異原との組み合わせの遺伝毒性を調べること。

詳細情報

磁界ばく露単独、またはよく知られた変異原の4-NQO(0.04及び0.4 µg/ml)、ブレオマイシン(0.125及び1.25µg/ml)、ならびに非DNA反応性化学レゾルシノール(その変異原性は疑問;0.1及び1µg/ml)との組合せの影響を調査した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 1 or 2 h

General information

Bacteria were treated in ten groups: i) EMF exposure only ii) EMF exposure + 4-NQO iii) EMF exposure + bleomycin iv) EMF exposure + benzpyrene v) EMF exposure + resorcinol vi) 4-NQO only vii) bleomycin only viii) benzpyrene only ix) resorcinol only x) sham exposure

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 1 or 2 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 42 cm long cylindrical coil with an inner diameter of 20 cm and 380 turns; bacteria cultures placed in 96-well plates in the middle of the coil
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT - - - -
磁束密度 500 µT - - - -

Reference articles

  • Verheyen GR et al. (2003): [ヒトリンパ球に対する50Hz磁界と異数体誘発物質への共ばく露の影響の、細胞質分裂ブロック小核アッセイによる判定]
  • Maes A et al. (2000): [異なる磁束密度の50 Hz磁界の細胞遺伝学的影響]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

このデータは、超低周波磁界細菌 Salmonella typhimurium にSOS応答に基づく変異原性を生じないことを示し、また、化学変異原と組合せた場合の相乗効果を示さなかった。

研究の種別:

研究助成

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