この横断研究は、バイエルン州(南ドイツ)の4つの都市の住民登録から無作為抽出された1498名の子供と1524名の青年を対象に、個人ばく露計による24時間高周波電磁界ばく露測定と質問紙による行動問題(SDQ質問紙)との関係を調べた。その結果、起きている間のばく露レベル平均値はICNIRP 参考レベルの0.13%から 0.92% の範囲であった。子供の7%と青年の5%で異常な情緒面での行動を示した。RFばく露レベルが最高4分位の対象者におけるSDQ総合値との関連性は、青年ではOR = 2.2(95%CI:1.1-4.5)、子供では1.3(同:0.7-2.6)であった。(SDQは、行為・多動・情緒・仲間・向社会性のサブスケールからなるが)今回の結果は、一つのサブスケール(行為)が大きく働いていたと報告している。
精神衛生行動は、行動の正及び負の属性をカバーするStrengths and Difficulties Questionnaireのドイツ語版によって評価した。子ども及び思春期層ならびに彼らの親がアンケートに回答した。
同じ研究人口の急性症状は Heinrich他 (2010)、慢性症状は Heinrich 他 (2011)で分析した。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 第1四分位の子ども:ICNIRPの参考レベルの0.13 - 0.15 % |
集団 2 | 第2四分位の子ども:ICNIRPの参考レベルの0.15 - 0.17 % |
集団 3 | 第3四分位の子ども:ICNIRPの参考レベルの0.17 - 0.20 % |
集団 4 | 第4四分位の子ども:ICNIRPの参考レベルの0.20 - 0.92 % |
参照集団 5 | 第1四分位の思春期層:ICNIRPの参考レベルの0.13 - 0.15 % |
集団 6 | 第2四分位の思春期層:ICNIRPの参考レベルの0.15 - 0.17 % |
集団 7 | 第3四分位の思春期層:ICNIRPの参考レベルの0.17 - 0.21 % |
集団 8 | 第4四分位の思春期層:ICNIRPの参考レベルの0.21 - 0.78 % |
タイプ | 値 |
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合計 | 6,396 |
適格者 | 5,870 |
参加者 | 3,022 |
参加率 | 52 % |
個人ドシメータによって評価した携帯電話周波数へのばく露は、ICNIRPの参考レベルよりも遥かに低く、覚醒時ではICNIRPの参考レベルの0.13-0.92%の範囲であった。全体として、子どもの7%及び思春期層の5%が全体的な行動学的問題を示した。
最も高いばく露群の思春期層には統計的に有意に多い全体的な行動学的問題が認められた(OR 2.2、CI 1.1-4.5)が、この結果は最も高いばく露群の子どもには認められなかった。行動学的サブグループ分析では、最も高いばく露群と、思春期層(OR 3.7、CI 1.6-8.4)及び子ども(OR 2.9、CI 1.4-5.9)の行動上の問題との関連が認められた。著者らは、この知見を確認するため、更なる研究が是認されると結論付けた。
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