研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ラットの血清及び肝臓の脂質レベルに対する超低周波電磁界への全身ばく露の影響] med./bio.

Effects of whole body exposure to extremely low frequency electromagnetic fields (ELF-EMF) on serum and liver lipid levels, in the rat

掲載誌: Lipids Health Dis 2007; 6: 31

【背景】超低周波電磁界(ELF-EMF)が、オスのWistarラットにおける血清および肝臓脂質レベルに与える影響が評価された。【方法】動物が、ELF-EMF(60Hz, 2.4mT)の一回刺激(2時間)あるいは擬似刺激ばく露され、その後、異なる時間において(ばく露開始後、24、48、96時間)解剖に供せられた。【結果】血中脂質は、刺激動物48時間で、チェックされた他のどの時間におけるよりも著しい増加を、高密度リポタンパクに結びついたコレステロール(HDL-C)において見せた。遊離脂肪酸血清は、24時間後、対照グループと比べ著しい増加を示した。その他の血清脂質トリアシルグリセロール及び総コレステロールは、いずれの測定時間においてもグループ間の違いを見せなかった。肝臓の総脂質において統計的な差異は見られなかったが、総コレステロールは24時間後に、96時間後にもあり、顕緒に上昇していた(p=0.026)。ELF EMF 刺激は24時間後に、肝臓における過酸化脂質成分を増加させた。【結論】ELF-EMF への1回ばく露は、血清のHDL-C値、肝臓過酸化脂質成分を増加させ、肝臓の総コレステロールを減少させる。ELF-EMF脂質代謝に与える効果のメカニズムはまだ解明されていない。だが、EMF による酸化窒素シンターゼ刺激に関連があるかもしれない。

研究目的(著者による)

ラット血清及び肝臓脂質濃度に対する超低周波電磁界の影響を調べること。

詳細情報

ラット(n=40、群あたり5匹)を電磁界ばく露または偽ばく露し後、異なるタイミングで(ばく露開始の24、48または96時間後)屠殺した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: continuous for 2 h

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 2 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 plastic exposure chamber
ばく露装置の詳細 pair of circular Helmholtz coils with an inner diameter of 30 cm, consisting of 350 turns of 18-gauge copper wire, fixed at the upper and lower surface of the chamber
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 2.4 mT - 測定値 - -

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

超低周波電磁界へのばく露は、HDLコレステロール血清値(48時間ばく露群)、肝臓過酸化脂質の量(24時間ばく露群)を増加させ、肝臓の総コレステロールを減少させた(96時間ばく露群で有意)。脂質代謝に対する超低周波電磁界の影響のメカニズムはまだ十分には理解されていない。

研究の種別:

研究助成

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