【背景】超低周波電磁界(ELF-EMF)が、オスのWistarラットにおける血清および肝臓脂質レベルに与える影響が評価された。【方法】動物が、ELF-EMF(60Hz, 2.4mT)の一回刺激(2時間)あるいは擬似刺激にばく露され、その後、異なる時間において(ばく露開始後、24、48、96時間)解剖に供せられた。【結果】血中脂質は、刺激動物48時間で、チェックされた他のどの時間におけるよりも著しい増加を、高密度リポタンパクに結びついたコレステロール(HDL-C)において見せた。遊離脂肪酸血清は、24時間後、対照グループと比べ著しい増加を示した。その他の血清脂質、トリアシルグリセロール及び総コレステロールは、いずれの測定時間においてもグループ間の違いを見せなかった。肝臓の総脂質において統計的な差異は見られなかったが、総コレステロールは24時間後に、96時間後にもあり、顕緒に上昇していた(p=0.026)。ELF EMF 刺激は24時間後に、肝臓における過酸化脂質成分を増加させた。【結論】ELF-EMF への1回ばく露は、血清のHDL-C値、肝臓の過酸化脂質成分を増加させ、肝臓の総コレステロールを減少させる。ELF-EMF が脂質代謝に与える効果のメカニズムはまだ解明されていない。だが、EMF による酸化窒素シンターゼ刺激に関連があるかもしれない。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
60 Hz
ばく露時間:
continuous for 2 h
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周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 2 h |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | plastic exposure chamber |
ばく露装置の詳細 | pair of circular Helmholtz coils with an inner diameter of 30 cm, consisting of 350 turns of 18-gauge copper wire, fixed at the upper and lower surface of the chamber |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
磁束密度 | 2.4 mT | - | 測定値 | - | - |
超低周波電磁界へのばく露は、HDLコレステロールの血清値(48時間ばく露群)、肝臓の過酸化脂質の量(24時間ばく露群)を増加させ、肝臓の総コレステロールを減少させた(96時間ばく露群で有意)。脂質の代謝に対する超低周波電磁界の影響のメカニズムはまだ十分には理解されていない。
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