この研究は、低周波パルス磁界(ELF-PEMF)が心循環系に与える影響を調べた。これは、ヒトの軟部組織損傷の修復に対するELF-PEMFの治療効果の可能性に関する市販の磁気治療装置を用いた調査研究のフォローアップとして行われた。心拍数(HR)または心拍変動(HRV)の変化は、RR間隔の周期性の変化および/または心拍数/分(bpm)の数の変化から検出されるが、RR間隔分析ではHRVの定量的な洞察しか得られない。そのため、R-R間隔のフーリエ変換のパワースペクトル密度(PSD)を用いて、低周波(LF)PSDと高周波(HF)PSDの比(LF / HF)を検討した。これは交感神経–迷走神経バランスの指標である。すべての被験者に同じELF-PEMFばく露を与え、その時のHR変動を分析した。その結果、LF / HF PSDの比の変動は、主にばく露から無ばく露へ、またはその逆の切り替え時間に発生することが示された;1人の被験者について、一定範囲のさまざまなレベルのELF-PEMFにばく露したときに得られるLF / HF PSDの比も興味深いものがあった;このパイロット研究は、心血管系に対するELF-PEMFの影響に関する完全な調査を実施する価値があることを示している、と報告している。
(1) 少数の健康な被験者(30-65歳の男性5人)の心臓血管機能に対する、パルス化周波数が一定の超低周波パルス電磁界ばく露への反応を調べること。
(2) 各種の周波数の超低周波パルス電磁界への反応を調べること。1人の被験者を5日間連続で、毎日異なるパルス化周波数でばく露した。
本研究では、パワースペクトル濃度を研究ツールに用いた。RRインターバルから得た信号のパワースペクトル密度は、心拍数に影響し得るリズミカルな揺らぎの寄与を示す。自律神経系が交感神経と副交感神経の求心性で心拍変動を制御している。この制御は、自律神経系の交感神経枝については0.04-0.15Hzのより低い周波数範囲で、自律神経系の副交感神経または迷走神経枝については0.15-0.4Hzのより高い周波数範囲で検出できる。その結果、より低い周波数/より高い周波数の比率は、交感神経‐迷走神経のバランスを反映していると見なされる。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
Modulation type:
pulsed
ばく露時間:
5 to 10 min off - 20 min on - 20 min off - 20 min on - 5 to 15 min off
|
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ばく露2:
50 Hz
Modulation type:
pulsed
ばく露時間:
exposure of one person to different extremly low frequency pulsed electromagnetic fields on 5 consecutive days
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | 5 to 10 min off - 20 min on - 20 min off - 20 min on - 5 to 15 min off |
Modulation type | pulsed |
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ばく露の発生源/構造 |
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Distance between exposed object and exposure source | 90 cm |
チャンバの詳細 | the pad radiating the pulsed field was placed on the floor under the seat of the test persons |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 4.21 µT | - | 測定値 | - | value at the heart of the test persons |
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | exposure of one person to different extremly low frequency pulsed electromagnetic fields on 5 consecutive days |
Modulation type | pulsed |
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ばく露の発生源/構造 |
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測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 4.21 µT | - | 測定値 | - | at the haert of the testperson |
データは、同じ超低周波パルス電磁界ばく露時の、全ての被験者における心拍変動を明らかにした。この変動は、交感神経‐迷走神経の平衡の変化を観察することで検出可能であった。「より低い周波数/より高い周波数のパワースペクトル密度」の比率の変動は主に、ばく露から非ばく露、またはその逆の移行時に生じた。
同じ被験者が異なるパルス周波数にばく露された場合、3Hz及び4Hzのパルス周波数での刺激への反応は、他のパルス電磁界と比較して、2回目のばく露期間中に、パワースペクトル密度の比率における顕著な変動を示した。
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