この研究は、心拍(HR)および心拍変動(HRV)に対する超低周波(ELF)電磁界ばく露の短期的影響を調べた。健康な男性参加者34人(18-27歳)を無作為にばく露群および擬似ばく露群(各群n = 17)に割付け、二重盲検反復デザインで5分間の実験を3回実施した。ばく露群の胸部を、50 Hz、28 μT、線形偏波、連続波の磁界にばく露し、HRおよびHRVを連続的に記録した。その結果、被験者間の統計的分析では、ばく露群と擬似ばく露群の両方で、HRの有意な減速が認められた。但し、N-N間隔の標準偏差(SDNN)、連続する差の二乗平均値(RMSSD)、低周波(LF)および高周波(HF)パワーは、ばく露群のみで上昇し、擬似ばく露群では安定したままであった。ばく露中および擬似ばく露中に測定したHRV指標を比較したところ、被験者間分析では、ばく露群では擬似ばく露群と比較して、SDNN、RMSSD、ならびにLFおよびHFパワーが有意に高かった。LF/HF比には群間で有意差はなかった。これらの結果から、ELF電磁界への胸部の短期ばく露は安静状態での副交感神経優位を潜在的に強める可能性がある、と著者らは結論付けている。
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