この研究は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae/SEy210a)の一倍体細胞に対する紫外線(UV)ばく露の影響が、50Hz正弦波磁界(MF:120 μT)を同時ばく露することによってさらに変化するか否かを調べた。UVは、エネルギーの大部分がUVB範囲(280-320 nm)にあり、生物学的重み付け(国際照明委員会(CIE)が定義した作用スペクトル)の線量レベルは175 J/m2であった。影響評価は、コロニー形成能(CFUs)および細胞周期動態で行なった。その結果、UVばく露を受けた酵母細胞の細胞周期相に対するMFの有意な影響は、1時点でのみ見られ、それはMFばく露後の最初の周期の動態への影響であった;UVばく露を受けた酵母細胞のコロニー形成能に対するMFばく露の影響は、UV照射後420分で有意であった;さらに、UV照射後240、360、420分において、UV単独ばく露群に比べ、UV + MFばく露群の方が、すべての実験において、CFUsが少なかった、と報告している。
10分間のUV照射後の様々な時間(0、30、60、120、240、300、360、420分)に、コロニー形成単位及び細胞周期の測定のために細胞を収集した。UVの線量レベルは175J/m²であった。UV(10分間)及び磁界ばく露は同時に開始し、磁界ばく露は実験終了まで継続した(430分まで)。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
up to 430 min
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | up to 430 min |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | A wooden exposure system, in which petri dishes along with the coils were situated at the upper part and a UV lamp placed underneath the petri dishes. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 120 µT | mean | - | - | +/- 5 µT |
細胞周期動態についてのデータは、最初の細胞周期にUV単独照射した酵母細胞と比較して、UV照射+磁界ばく露の酵母細胞では遅延時間が異なることを示唆している。細胞周期動態に対する磁界の影響は、1つの時点(UV照射の60分後)のみで見られた。
UV照射した酵母細胞のコロニー形成能力に対する磁界ばく露の影響は、UV照射の420分後に統計的に有意であった(コロニー形成単位が少なかった)。更に、UV照射後の他の時点では、UV単独照射の酵母細胞と比較して、「UV照射+磁界ばく露」の集団のコロニー形成単位が少なかったが、その差は統計的に有意ではなかった。
これらの知見は、磁界ばく露はUV照射とあわせて、酵母細胞の生存と増殖に何らかの影響を及ぼすかも知れない、ということを示している可能性がある。
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