ミツバチおよび一般的な花粉媒介者の減少が多くの国々で報告されており、一般的な生物多様性の喪失への新たな懸念となっている。多くの研究で花粉媒介者の減少の原因の評価が評価され、ほとんどの場合で多重ストレスの影響が最も可能性の高い原因であると結論付けられている。この研究は、ハチに対する2つの可能性のあるストレス源として、殺虫剤と電磁界の複合的影響を実地で分析した。1) 直接的な人工的ストレス源から離れた対照地点、2) 殺虫剤によるストレスのある地点、3) 殺虫剤と高圧送電線からの電磁界の多重ストレスのある地点の3か所の地点を選択した。実験用の養蜂場を毎週、2017年4月から2018年4月まで1年間にわたって、コロニーの生存、女王バチの活動、ハチミツ貯蔵量および幼虫の数、寄生虫および病原体、ならびに若い働きバチおよびサナギの複数のバイオマーカー(アセチルコリンエステラーゼ(AChE)、カタラーゼ(CAT)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、アルカリフォスファターゼ(ALP)、活性酸素腫(ROS)、DNA断片化、脂質過酸化(LPO))についてモニターした。その結果、ハチの健康状態は多重ストレス地点で最悪で、実験開始時に4つあったコロニーのうち1つしか生存していなかった。同地点では、疾病の発生(アメリカ腐蛆病)、高い死亡率(殺虫剤ストレス地点と共通)、行動変容(女王バチの交代、ハチミツ貯蔵量の過多)、生化学的異常(季節の終わりでの高いALP活性)といった、複雑な悪影響が認められた。これらの結果は、多重ストレス条件がハチのコロニー生存に深刻な脅威を及ぼす生化学的、生理学的および行動学的変化を生じ得ることを明確に示すものである、と著者らは結論付けている。
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