この研究は、7,12-ジメチルベンズアルデヒドアントラセン(DMBA)誘発のラット乳がんにおいて、50Hz、100μTの磁界ばく露が乳がんモデルに腫瘍成長の上昇およびプログレッションを引き起こしたと報告した先行研究と同様の結果が、同じ実験条件で再現できるか否かを同じ研究室で調べた。磁界ばく露群として、99匹の雌Sprague-Dawleyラットに、24時間/日(ただし、体重測定、腫瘍触診、ケージ洗浄、ケージのローテーションに要する時間を24時間から差し引いた)、7日/週、91日間、一様な水平偏波磁界へのばく露を与えた。もう一つの群(同じく、99匹の雌Sprague-Dawleyラット)には、同期間、擬似ばく露を与えた。DMBAは、ばく露の初日に5mg(ラット1匹当たり)の用量で胃内投与され、その後は20mg(ラット1匹当たり)の総用量になるまで、週1回の間隔で投与された。その結果、 磁界ばく露群および擬似ばく露群の両方において、最初の腫瘍は、最初のDMBA投与後6週間で記録された; DMBA投与後9週において、ばく露群の方が擬似ばく露群よりも、腫瘍を有する動物の数が有意に多かった;この有意差は、その後のばく露期間を通して観察された;ばく露終了後の剖検での肉眼的観察では、腫瘍発生率は、ばく露群で83%、擬似ばく露群で62%であり、この差は有意であった;先行研究で報告された低磁束密度の50 Hz磁界の長期ばく露によるDMBA誘発乳がんのプロモートまたはコプロモート作用は同じ実験室での同じ条件で再現された、と報告している。
50Hz/100µT磁界ばく露がDMBA処理したラットの腫瘍成長に及ぼす影響についての先行研究(publication 3419 参照)を再現すること。
本研究では合計198匹のラットを用いた(2群/各99匹)。一方を磁界ばく露群、もう一方を偽ばく露対照群とした。各々のラットにばく露または偽ばく露の前に最初のDMBA(5mg)を経口投与した。DMBA投与を続く3週にわたって実施し、合計で20mg投与した。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50–60 Hz
ばく露時間:
24 h/day, 7days/week for 91 days
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周波数 | 50–60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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偏波 |
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ばく露時間 | 24 h/day, 7days/week for 91 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | four 1 m square coils with 26 turns of 1.5 mm² copper wire for the outer coils and 11 turns of the same wire for the inner coils |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 100 µT | effective value | 測定値 | - | - |
12週間のばく露後にメラトニンレベルを調べた。ばく露群と偽ばく露群で差は認められなかった。更に、行動学的な差または体重の差も認められなかった。肝臓及び脾臓の重量にも差はなかった。
DMBA投与の9週間後、磁界ばく露群では偽ばく露群よりも腫瘍のある動物が有意に多くなり始めた。組織病理学的検査では、ばく露群と偽ばく露群の腫瘍発生率の差はさらに大きかった。
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