[グルタミン酸受容体のシグナル伝達経路に対する900 MHzおよび2100 MHzの電磁放射への急性および慢性ばく露の影響] med./bio.

Effects of acute and chronic exposure to both 900 MHz and 2100 MHz electromagnetic radiation on glutamate receptor signaling pathway

掲載誌: Int J Radiat Biol 2017; 93 (9): 980-989

この研究は、N-メチル-D-アスパラギン酸受容体(NMDAR)が関連するシグナル伝達経路からの幾つかの酵素(プロテインキナーゼA(PKA)、カルシウムカルモジュリン依存性プロテインキナーゼIIαサブユニット(CaMK IIα)、cAMP応答エレメント結合タンパク質(CREB)、およびp44/42分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼMAPK)を含む)の海馬でのレベルおよび活性に対する、900 MHzおよび2100 MHz無線周波RF電磁放射への急性および慢性ばく露の影響を調べた。ラットを偽ばく露群、900 MHzばく露群、2100 MHzばく露群(それぞれ2時間/日で1週間(急性)または10週間(慢性))に分けた。ウェスタンブロットおよび活性測定アッセイを用いて、海馬での酵素のレベルおよび活性を評価した。その結果、海馬での酵素のレベルおよび活性は、900 MHzおよび2100 MHzのいずれに対しても、急性ばく露群よりも慢性ばく露群で有意に高かった。また、海馬での酵素のレベルおよび活性は、急性および慢性ばく露のいずれに対しても、900 MHzよりも2100 MHzで有意に高かった。著者らは、この研究は、ばく露期間(1週間と10週間)および異なる搬送周波数(900 MHzと2100 MHz)では、Wistarラット海馬でのタンパク質発現に対する影響が異なるという実験的証拠を示すものである、と結論付けている。

ばく露

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