この研究は、睡眠を促進する内因性神経ホルモンであるプロスタグランジンD2の合成に係わる主要酵素β-トレースタンパクの濃度低下に無線電話使用が関連するか否かを、スウェーデンのオレブロ市住民登録から無作為抽出した居住者314人(18-65歳)について調べた。β-トレースタンパクの濃度と無線電話の使用との関連について既知の共変数を調整した線形回帰分析を行った。その結果、長期使用者および短期使用者の両方において、無線電話使用とβ-トレースタンパクの濃度の間に統計学的に有意な関連は見出されなかった;年齢別の分析では、最も若い年齢群(18-30歳)で長期使用(累積使用時間)とβ-トレースタンパクに負の相関が見られた、と報告している。
携帯電話及びDECTコードレス電話の使用が、ヒト血清ベータトレースタンパク質のより低い濃度と関連しているかどうかを調査するため、スウェーデンにおいて横断的研究を実施した。
本研究は、Söderqvist 他(2009)と同じ研究人口に基づいている。加えて、18-30歳の年齢グループについてのデータを、Hardell他(2010)及び Söderqvist他(投稿済)による2つの先行研究からのデータと組合せた。
グループ | 説明 |
---|---|
集団 1 | 携帯電話及びDECTコードレス電話の累積使用時間 |
集団 2 | 携帯電話の累積使用時間 |
集団 3 | DECTコードレス電話の累積使用時間 |
集団 4 | 携帯電話及びDECTコードレス電話の最初の使用からの年数 |
集団 5 | 携帯電話の最初の使用からの年数 |
集団 6 | DECTコードレス電話の最初の使用からの年数 |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 1,000 |
参加者 | 314 |
参加率 | 31 % |
18-30歳の年齢グループ:更に2つの他の研究の参加者87人
全体として、短期及び長期使用のいずれに関しても、携帯電話ならびにDECTコードレス電話の使用と血清ベータトレースタンパク質の濃度との統計的に有意な関連は認められなかった。但し、年齢別の分析では、最も若い年齢グループ(18-30歳)における長期使用(グループ1及び3)とベータトレースタンパク質について、負の関連が得られた。
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