この研究は、比較的弱いELF磁界へのばく露が、無ばく露対照とに比べ、アフリカツメガエル(Xenopus. laevis)のオタマジャクシの発育速度を遅くすることを示した以前の実験と同じ実験のデータを再処理して、(弱い)ELFの磁束密度の小さな変動に対するオタマジャクシの発育速度の感度を評価した。大きなソレノイドコイル軸に沿った電界強度のわずかな異方性を利用して、2 つのオタマジャクシ群をわずかに異なる磁束密度の50Hz磁界下で飼育した。2つの群のばく露の差はわずかであったが、有意であった(p < 0.001)。そのばく露の差が、オタマジャクシの発育速度に2.5日の差を生じさせたことが確認され、その差は有意であった(p <0.05)。この結果について、著者らは、「動物の発育速度の制御において、およそ70 μTの磁界閾値が存在することが示唆された。ただし、他の実験動物モデルでさらなる実験的研究を行うこと、ELF磁界の影響を受ける主要な発達通路を個別化することを行わなくては、動物実験においてこのレベルの磁界による障害のいわゆる一般化は行えないと考える」、と報告している。
先行実験(Severini他、2010)のデータを再処理し、弱い超低周波の磁束密度の小さな差に対する、オタマジャクシの発達速度の感受性を評価した(2つの異なる水槽E1及びE2で)。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 22 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | 1.6 m long solenoid with a diameter of 0.4 m; aquariums E1 and E2 placed on a wooden board in the center of the solenoid |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
このデータは、強い磁界下の水槽E2のオタマジャクシは、弱い磁界下の水槽E1のオタマジャクシと比較して、2.5日有意に遅れて成長したことを示した。この遅れは明らかに、僅かに異なる2つの磁束密度へのばく露によって生じた。この結果は、動物の発達速度を制御する閾値が70µT前後に存在することを示唆している。
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