この研究は、電界、低温、およびそれらの組み合わせが、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)およびキャベツ(Brassica oleracea)の葉の抗酸化反応に関係する組織活力および生理学的変数に与える影響を調べた。15日齢の実生に、低温処理の前に、10または40分間の電界印加を行った(100 kV/ m)。その結果、低温処理単独では、両方の植物の葉において、総可溶性タンパク質レベルおよび抗酸化酵素(カタラーゼ、ペルオキシダーゼおよびスーパーオキシドジスムターゼ)の活性を有意に増加させた;ただし、キャベツでは組織活力およびH2O2レベルは変化せず、インゲンマメでは組織活力の低下、H2O2レベルの上昇が生じた;電界単独の処理では、両方の葉に大きな変化は生じなかった;低温処理の前に40分の電界印加を行った場合、両方の葉において、低温の悪影響が増加した;一方、低温処理の前に10分の電界印加を行った場合、組織活力と抗酸化酵素活性を増加させ、H2O2レベルを低下させた結果として耐寒性が高まった、と報告している。
Leaves were treated in six groups: i) control ii) 10 min. exposure iii) 40 min. exposure iv) cold treatment v) 10 min. exposure + cold treatment vi) 40 min. exposure + cold treatment
どちらの植物でも、低温適用は単独で、総タンパク質レベル及び抗酸化酵素活性に統計的に有意な上昇を生じた。但し、低温耐性のケールでは組織の活力及び過酸化水素レベルは変化しなかったが、低温感受性のマメでは組織の活力は低下し、過酸化水素レベルは上昇した。
電界適用は単独では、どちらの植物種にも有意な変化を生じなかった。他方、40分間の電界ばく露は、どちらの植物種でも低温処理の悪影響を強めたが、10分間の電界ばく露は、組織の活力及び抗酸化酵素活性を高め、結果的に過酸化水素レベルを低下させることで、冷却耐性を強めた。
著者らは、冷却処理前の非常に短時間(10分間)の電界ばく露(100kV/m)は、特に低温感受性の植物種において、抗酸化酵素活性及び組織の活力を高め、結果的に過酸化水素形成を低減することによって冷却耐性を強める、と結論付けている。
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