この研究は、血管新生の活性化に対する超低周波(ELF)電磁界(EMF)の影響を、培養されたヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を用いて調べた。培養細胞は50 Hz正弦波磁界(磁束密度1 mT)への最大12時間のばく露を受けた。その結果、EMFは、内皮細胞の増殖および細管形成の程度を増加させた;これは、創傷治癒プロセスの加速に結び付けられる;このプロセスは、生理学的にアクチンと接着斑の構造的組織の大きな変化を伴うため、EMFばく露後の線維および接着斑複合体の主要な再編成を示すいくつかの細胞骨格要素の再配置を分析した;最後に、ウエスタンブロット分析により、リン酸化の有意な増加およびVEGF受容体2(KDR / Flk-1)の全体的な発現が示された;このことは、EMFがインビトロでVEGF依存性シグナル伝達経路を介して血管新生に関係するいくつかの内皮機能を調節することを示唆する、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 1, 6 or 12 h |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | pair of Helmholtz coils with a radius of 13.0 +/- 0.5 cm and 800 turns of 2 mm² wire each; vertical distance between the coils 13.5 +/- 0.5 cm; stack of four culture plates placed inside the coil system |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | effective value | 測定値 | - | at the center of the coils |
1mTの超低周波電磁界へのばく露は、時間依存的に細胞増殖を増加させ、6時間後には対照群と統計的に有意な差に達する。細胞の移動はばく露細胞でより多く、1時間のばく露でピークであった。血管新生応答に関しては、ばく露細胞は12時間のばく露で毛細血管が有意に長かった。ばく露細胞では、12時間のばく露で最大となる接着斑(ビンキュリンスポット)の時間依存的な漸増と、6時間で最大レベルに達するアクチン濃度が観察された。1時間のばく露では、血管内皮成長因子受容体2(KDR/Flk-1)の発現のレベル及びリン酸化が上昇し、この有意な上昇は12時間の電磁界処理まで維持された。
結論として、これらの結果は、正弦波超低周波電磁界(1mT、50Hz)は、血管内皮成長因子受容体2(KDR/Flk-1)の活性化によって惹起されるシグナル伝達経路を活用して、イン・ビトロでの毛細管形成をプロモートすることを示しているかも知れない。
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