この研究は、視覚表示端末(VDT)作業中の磁界(MF)へのばく露が作業者の精神的疲労に影響するか否か、精神生理学的変化に関連するストレスを誘発するか否かを、ボランティア実験で調べた。37人の学生がこの実験に参加した。ブラウン管(CRT)ユニット画面に密着して液晶ディスプレイ(LCD)端末を配置した実験用装置でVDT作業を行わせた。CRTユニットの電源がオンまたはオフの状態は被験者にはブラインド化された。CRTがオンの状態での作業グループはCRT-ONグループ、CRTがオフの状態の作業グループはCRT-OFFグループとした。気分プロフィール検査および自覚症状アンケートを作業の前後に測定し、また、唾液のクロモグラニンAおよび尿中の8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OH-dG)を作業の前後に測定した。その結果、自覚症状アンケートおよび唾液および尿のストレスマーカーのデータによれば、CRT-ONグループでは、CRT-OFFグループと比較して有意な精神的疲労または心理的ストレスは誘発されなかった;一方、参加者の作業後の気分プロフィール検査において、「活気」は大きく低下し、「疲労」および「混乱」は有意に上昇した;また、参加者は作業後の自覚症状アンケートで、質問項目25のうちの14項目において強い不調を回答した;総合すると、この実験ではMFばく露による健康への悪影響は検出されなかったが、VDT作業自体が精神的疲労と精神生理学的状態に影響することが示唆された、と報告している。
学生37人(女性36人、男性1人)が参加
周波数 | 50–60 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 90 min |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | participants sat in front of a LCD (liquid crystal dispaly) monitor which was placed in front of the CRT with an opaque screen separating them; both the participant and the experimenter did not know if the CRT was on |
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