この研究は、2.3 THz波がSK-MEL-28細胞に及ぼす影響を、メタボロミクスおよび遺伝子ネットワーク解析を用いて調べた。その結果、照射後、主にプリン体およびピリミジン体の合成・分解経路に関連する40の代謝物が有意に変動した。セラミドやホスファチジルコリンなどの脂質も影響を受けた。遺伝子ネットワークの再構築と解析により、有意に変動した代謝物の生合成および分解に関与する酵素の主要な調節因子を特定した。呼吸鎖複合体、プロトン輸送型ATPシンターゼ複合体、脂質ラフトの構成要素など、ミトコンドリア膜の構成要素がTHz波に反応した。THz波は、脂質ラフトのマクロ分子構造の可逆的な破壊を誘導し、それによりミトコンドリア分子の輸送を変化させると考えられるが、タンパク質の完全性は維持されるため、高い細胞生存率が説明できる。この結果は、THz波の生物学的影響の理解を深め、THz波に対する細胞応答における膜構成要素の役割を強調するものである、と著者らは結論付けている。
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