[携帯電話からの電磁界ばく露および果糖摂取は合体して成長中のラットの代謝調節因子AMPK/SIRT1-UCP2/FOXO1をかく乱する] med./bio.

Exposure to Electromagnetic Fields from Mobile Phones and Fructose consumption Coalesce to Perturb Metabolic Regulators AMPK/SIRT1-UCP2/FOXO1 in Growing Rats

掲載誌: Biomed Environ Sci 2023; 36 (11): 1045-1058

この研究は、携帯電話からの電磁界果糖摂取という2つのストレス要因の組み合わせが、AMPK/SIRT1-UCP2/FOXO1経路の調節を行う視床下部および肝臓代謝マスターレギュレーターに及ぼす影響を明らかにし、インスリン抵抗の基本的な分子メカニズムを明示化した。離乳したWistarラット(28日齢)を、通常群、ばく露群(ExpO)、果糖群(FruO)、ばく露果糖群(EF)の4群に割り付け、各群には標準的な実験用飼料を8週間自由に与えた。通常群および果糖群には、それぞれ飲料水と果糖溶液(15%)を無制限に与えた。ばく露群およびばく露果糖群は、電磁界(1760 MHz、2時間/日、8週間)にばく露させた。成体前期において、視床下部および肝臓組織におけるミトコンドリア機能、インスリン受容体シグナル、および酸化ストレスシグナルを、ウェスタンブロッティングおよび生化学的分析で評価した。その結果、ばく露果糖群では、通常群、ばく露群、および果糖群と比較して、視床下部組織でのSIRT1、FOXO 1、p-PI3K、p-AKT、Complex III、UCP2、MnSOD、カタラーゼ発現およびOXPHOSとGSHの活性が有意に減少した(P < 0.05)。ばく露果糖群の肝臓組織では、p-AMPKα、SIRT1、FOXO1、IRS1、p-PI3K、Complex I、II、III、IV、V、UCP2、およびMnSODの発現、ならびにOXPHOS、SOD、カタラーゼ、GSHの活性が、通常群と比較して有意に低下した( P < 0.05)。これらの結果から、Wistarラットの幼若期および性成熟期における電磁界ばく露果糖摂取の組み合わせは、視床下部肝臓におけるインスリン受容体シグナルミトコンドリアOXPHOS、抗酸化防御システムの密接に結びついた多重調節されたクロストークを妨害する可能性が示唆される、と著者らは結論付けている。

ばく露