この研究は、性成熟前、性成熟前後、性成熟後の発達段階のラットの視床下部と肝臓で産生される食欲抑制および食欲抑制シグナルに対する、携帯電話からの電磁界ばく露および無制約の果糖摂取の影響を調べた。離乳したラットを、通常群、果糖摂取群(果糖15%水溶液)、電磁界ばく露群(2時間/日)、果糖摂取+電磁界ばく露群に割り付けた。その結果、果糖摂取+電磁界ばく露群では通常群と比較して、成体初期までの総消費カロリーが高く、これは食欲促進ホルモン、即ちグレリンのレベル上昇の影響力による可能性があり、体重増加率の上昇として反映される。成体初期では、果糖摂取+電磁界ばく露群はインスリンの応答および感受性の低下が記録された。摂取+電磁界ばく露群は中枢でも抹消でも「食物摂取状態」であったにもかかわらず、解糖が抑制され、糖新生が生じた。加えて、脂質プロファイルとグリコーゲンレベルの変化から、果糖摂取+電磁界ばく露群が脂肪肝を発症していることが示された。果糖摂取+電磁界ばく露群のエネルギー恒常性が損なわれていることが、(a) 視床下部と肝臓におけるグルコース生成因子-GLUT2とグルコキナーゼの発現低下、および(b) 視床下部における細胞エネルギー調節因子-AMPK、食欲抑制ペプチド-NPY、および食欲抑制ペプチド-POMCの発現低下、によって示された。これらの結果は全体として、幼体‐性成熟期の携帯電話からの電磁界ばく露と無制約の果糖摂取は、成体初期までのブドウ糖摂取、糖調節、摂食、満腹行動中枢および抹消の経路を阻害することを示している、と著者らは結論付けている。
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